このままでは今年もコメ不足に 政府備蓄米放出、検討を コメ専門ライター・熊野孝文さん2024年12月9日
日本飼料用米振興協会が12月5日に開いた意見交換会で、コメ専門ライターの熊野孝文氏(本サイトに「熊野孝文・米マーケット情報」を連載中)は「このままでは今年もコメ不足が起こる」と警鐘を鳴らした。以下は発言要旨。
外食に国産米離れの動き
あるパックご飯業者は商社と組んで、ハイブリッド種子をドローンで乾田に直播し10万俵生産しようとしている。年間1万3500トン米を使ってきた有名なスパゲティ屋は、来春メニューを全部変えコメ使用を減らす。有名外食店にも外米に変える動きがある。
「確実に儲かる」増えたプレーヤー
先日の農水省・米産業の意見交換会で、年間20万トン米を使う大手コンビニのベンダーが「未だに5万トン不足している」と言った。大変なことだ。このままでは今年もコメ不足が起こる。
コメの庭先価格が上がったのは扱うプレーヤーがものすごく増えたから。増えたのは確実に儲かるからだ。小型低温倉庫の販売も増えたという。24年産米は、飼料用米は40%減ったのに主食用米の検査量が増えていない。農水省が言うほど実際は獲れていないのではないか。
市場任せ+直接支払いで
コメ政策を変えないと、日本の生産は崩壊する。生産調整を進め供給量を絞って価格を上げる政策は早急に止めないとダメだ。コメの値段を市場に任せる。先物市場も利用すればいい。
市場任せでは暴落するんじゃないかというけど、暴落したって心配ない。石破総理が(農相だった)2009年にシミュレーションをしている。コメの値段が1俵7000円になっても所得補償に3500億円つぎ込めば農家はやっていけると。総理になったんだから米農家への所得補償をEU並みにすればいい。2009年から物価が上がっているとしても5000億円もあれば足りる。
ドローンの技術はどんどん上がり、棚田でも種を打ち込んでいく。生産性向上も期待でき、工業利用も含め需要もいろいろ拡大できる。
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