米の「民間輸入」急拡大 兼松は1万トン 仕向け先は外食から小売まで2025年2月18日
兼松は12月までに米を1万トン、輸入する見込みであると明らかにした。商社、米卸などが米を民間輸入する動きが広がっている。
米は、ミニマムアクセス(MA)制度にもとづき政府が77万トン国家貿易で輸入し、うち10万トンがSBS入札で主食用に販売される。2024年度の入札では全量、落札された。1キロ上限292円のマークアップ(輸入差益、事実上の関税)を上乗せして、政府が商社、米卸などに売り渡す。
民間輸入はその枠外で、1キロ341円の関税を払えば誰でも輸入できる。米卸によると、カリフォルニア産のカルローズは関税を乗せても精米1キロ当たり500円程度で、関税を払ってもキロ800円近い国産銘柄米より割安感が出ていた。
取材に対し兼松は「売り先は外食チェーンから小売まである。2月14日の『21万トン放出』の影響はまだわからないが、農水省が備蓄米放出の新基準を公表した後も需要が下がる動きはなかった」とする。国産米の需要が食われる懸念については、「当社の主目的は安定供給で、需要に応じて輸入米も扱っている。米価高騰は消費減退を招く恐れもあると言われるが、輸入米が入ることで価格が安定すれば消費減退を防ぐ効果もあるのではないか」としている。複数の大手牛丼チェーンは、すでに輸入米を使っている。
民間輸入はこれまで23年度が368トン、24年度は12月末時点で468トンにとどまってきたが、24年度末から25年にかけて桁違いに拡大しようとしている。より安価な輸入米が出回ることで「米離れ」が防げる反面、外食産業などで輸入米利用が定着すれば、その分、国産米需要が削がれる懸念は拭えない。
重要な記事
最新の記事
-
地域を守る闘いに誇り 元農林中金副理事長 上山 信一氏(1)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月1日
-
地域を守る闘いに誇り 元農林中金副理事長 上山 信一氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月1日
-
JA全農が新規採用職員入会式 石川佳純さんが激励 279人に辞令2025年4月1日
-
ベトナム産米、2万トンの日本向け輸出計画 国産米に近いジャポニカ米 きらぼし銀行支援2025年4月1日
-
政府備蓄米 第2回入札は100%落札 60kg2万722円2025年4月1日
-
米卸の在庫 集荷業者外からの仕入れ増える 2月末2025年4月1日
-
全国の総合JA数 496 4月1日現在2025年4月1日
-
【農業機械安全性検査新基準の解説】機械の側から危険な作業をなくす 農研機構に聞く(1)2025年4月1日
-
【農業機械安全性検査新基準の解説】機械の側から危険な作業をなくす 農研機構に聞く(2)2025年4月1日
-
7年産米概算金は先物市場の価格が参考に【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月1日
-
活力ある土づくり実践集団連絡協議会研修会を開催 JA全農山形2025年4月1日
-
山あいで育った「宇和茶」の甘みと香り 遠赤外線製法でじっくり乾燥 JAひがしうわ2025年4月1日
-
ササニシキのDNA継ぐ新たな神話 大崎耕土が生んだ「ささ結」 JA古川2025年4月1日
-
北総台地で育った「べにはるか」使った干し芋 サツマイモ本来の自然な甘み JA成田市2025年4月1日
-
和歌山の旬を産地直送で「ココ・カラ。和歌山マルシェ」オープン JAタウン2025年4月1日
-
JAみやざき「Tege Mahalo(テゲマハロ)」リニューアルオープン JAタウン2025年4月1日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年4月1日
-
【役員人事】農林中金アカデミー(4月1日付)2025年4月1日
-
埼玉県で開催予定の第75回全国植樹祭に木製品寄贈、木育授業も実施 農林中金2025年4月1日
-
300名にプレゼント「農作業スタートダッシュ応援キャンペーン」4/1から開催 デンカ2025年4月1日