米:2020年 農協協会 JAの米実態調査から
農作業の負担軽減が課題【2020年 農協協会 JAの米実態調査から・2】2020年8月28日
水田農業の効率化、省力化に向けたJAの取り組みを聞いたところ、密苗、疎植栽培が上位にあがった。
5年後も40%がコシヒカリ-主食用作付品種
図6の左の表は、各JAに主食用米作付銘柄について、作付面積の多い銘柄(品種)をもっとも多い第1位から第5位まであげてもらい、その1位から3位までを集計し、20位までを掲載した。コシヒカリが作付3位にまでに入っているJAが293あり、それらのJAでは水稲作付面積に占めるコシヒカリの栽培比率(平均)が53%だということを表している。また、作付JA数は少ないが、はえぬき(62%)、あいちのかおり(57%)、ななつぼし(50%)は当該JA管内での栽培比率が高いことが示されている。
図7は、5年後に作付の多い品種を聞いたもので、東日本、西日本ではコシヒカリが、北海道ではななつぼし、九州ではヒノヒカリが多くなると予測されている。
夢あおば、あきだわらに-飼料用米作付品種
図6の右の表は、同様に飼料用米作付品種について聞いたもの。かつてはコシヒカリというJAが多かったが、最近の調査ではコシヒカリから夢あおば、あきだわらにシフトしてきている。栽培比率では、そらゆたか、新潟次郎、あいちのかおり、ミズホチカラが高くなっている。
密苗・疎植栽培で効率化・省力化図る-栽培技術
水田農業の大規模化は今後の大きな課題だが、労働力不足問題もあり、効率化・省力化を可能にする栽培技術の普及は今後必須だといえる。現在、さまざまな栽培技術が開発されているがそれが普及するかどうかを聞いたところ(複数回答)図8のように、密苗が普及するという回答が68%(前回は66%)でもっとも多く、次いで疎植栽培59%とこの二つが圧倒的に多く、次いで密播25%、湛水直播鉄コーティング24%となっている。
密苗は北海道、東日本で高く、疎植栽培は九州、西日本で高くなっている。

作業負担、育苗費の軽減―普及理由
新しい栽培技術が普及する理由は、いずれの技術でも、作業負担の軽減、育苗費の軽減があげられている(図9)。
またグラフでは示していないが、疎植栽培で「病害の低減が可能」をあげているのが九州で11%あり注目される。
【5年後の水田農業を全国のJAが予測】
この調査は、水稲作付面積100ha以上の全国549JAを対象に、各JAの水稲関係担当の方(営農・購買)に回答してもらった。調査方式は、郵送による自記入式アンケート調査で、調査期間は2020年2月18日~5月29日。回答数は491件(回収率89.4%)。
地区別の回答数は、
○北海道=46件(回収率95.8%)
○東日本地区(東北6県、関東7都県、甲信越3県、北陸3県)=211件(回収率91.3%)
○西日本地区(東海4県、近畿6府県、中国5県、四国4県)155件(回収率86.1%)
○九州地区(九州7県、沖縄)=79件(回収率87.8%)
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