米:CE品質事故防止強化月間
乾燥能力に応じた計画的な人員配置で品質事故防止を 全国農協カントリーエレベーター協議会 大林茂松会長2024年9月20日
全国農協カントリーエレベーター協議会 大林茂松会長
全国農協カントリーエレベーター協議会は、カントリーエレベーター(以下、CE)を設置し、米麦の生産販売一貫体制の確立をはかっているJA等との連絡を密にし、施設の管理運営について協議を行い、その改善・向上をはかることを目的に、昭和49年に設立されました。
令和6年8月現在、会員JA数は216(39道府県)、施設数は726となっています。また、会員の施設の総貯蔵能力は200万トンを超えるなど、JAグループの米麦集出荷の拠点施設、我が国の食料基地として重要な役割を果たしています。
現在、各施設においては、施設の再編・老朽化対策、オペレーターの人材育成・労務改善など、多くの課題に直面しています。令和3年度に改正食品衛生法が施行され、原則としてすべての食品事業者にHACCPに基づく衛生管理が義務づけられました。CEやライスセンター、農業倉庫は義務化の対象外となりましたが、消費者や実需者からは、食の安全・安心への関心がますます高まっており、CE等においても「食品を扱う施設」として環境美化や自主的衛生管理が求められています。こうした状況に加え、灯油や電気料金など光熱費が高止まりしており施設運営費のコストアップへの対応も求められています。
当協議会としては、これらの課題解決・改善に向け、各関係機関と連携して取り組むとともに、会員相互の連携を一層強化してまいります。
さて、公益財団法人農業倉庫基金(以下:農倉基金)によると、CEの火災事故は、これまで毎年のように発生していましたが、昨年度の発生はなく、また、品質事故は1件にとどまりました。これは、会員をはじめとした関係者の皆様の、日頃の適正なCE運営のたまものであると考えております。
品質事故の原因の一つに、過剰荷受けが挙げられます。過剰荷受けへの対策としては、乾燥能力以上の荷受けを行わないよう、適切な荷受け計画を作成し、農家組合員の理解と協力を得ながら、計画に沿った作業を行っていくことが必要となります。また、事故防止のためには、要員の各施設への適切な配置やオペレーターの計画的な育成も必要です。CEの運転には熟練した技術が求められるため、例えば経験の浅いオペレーター単独で運転を行うことなどがないよう、JAの経営者・管理者の責任において運営体制の強化を図ってください。
米の生産から販売の流通においてその中間に位置し、重要な役割を担うCEに対しては、従来にも増して5S(整理・整頓・清掃・清潔・習慣)の徹底を強く求められています。5Sの徹底は現場だけ、オペレーターだけでは実現できません。経営者の理解と推進のもと組織をあげて取り組んでください。
いったん品質事故が発生すれば、経済的な損失はもとより、長年にわたって積み上げてきた農家組合員や取引先からの信頼失墜につながります。オペレーターの操作ミスに起因する事故であっても、最終的に経営者・管理者の責任が問われる事態となります。
当協議会は、全農および農倉基金とともに、CE稼動の最盛期における米の品質事故防止、5Sの徹底と火災・人身事故の防止をはかるため、8月1日から10月31日までを「米のカントリーエレベーター品質事故・火災防止強化月間」に設定しました。
各施設におかれましては、運営体制の整備、施設・機械等の点検整備・環境整備を行うとともに、マニュアルや作業手順書等にもとづく適切な運転を行い、役職員が一丸となって品質事故防止と作業安全の確保を徹底していただくようお願いします。
重要な記事
最新の記事
-
鳥インフルエンザ 愛知で国内40例目2025年1月21日
-
食料安保と気候対応 バイオエコノミーの重要性確認 ベルリン農相会合2025年1月21日
-
米のひっ迫感 「決して健全な状態だと思わない」 江藤農相2025年1月21日
-
【JAトップ提言2025】「協治戦略」で共生に道 JAはだの組合長 宮永均氏2025年1月21日
-
【JAトップ提言2025】農業応援団と地域振興 JAいちかわ組合長 今野博之氏2025年1月21日
-
牛窓地区のブランド野菜「牛窓甘藍」「冬黄白菜」で試食会 JA全農おかやま2025年1月21日
-
岐阜県産有機野菜で学校給食 中学生がメニューを考案 JA全農岐阜2025年1月21日
-
大分の家畜市場で子牛の初セリ式 前年より平均単価アップ JA大分2025年1月21日
-
上場銘柄の加重平均価格は1俵4万6417円【熊野孝文・米マーケット情報】2025年1月21日
-
JA相模原とJA佐久浅間が友好JA協定 2月10日に締結2025年1月21日
-
「第7回らくのうマルシェ」25日に開催 全酪連2025年1月21日
-
自社ウェブサイトが主要IRサイト調査にて高評価を獲得 日産化学2025年1月21日
-
腕上げ作業の負担軽減「TASK AR TypeS3」レンタル開始 アクティオ2025年1月21日
-
野菜価格高騰 野菜がお得に購入できる家計応援キャンペーン実施中 ポケットマルシェ2025年1月21日
-
「ノウフク商品」販売イベント 羽田空港第3ターミナルで開催中 日本基金2025年1月21日
-
地産全消「野菜生活100 福島あかつき桃ミックス」新発売 カゴメ2025年1月21日
-
「マイカー共済」4月1日から制度改定 こくみん共済 coop〈全労済〉2025年1月21日
-
新規水稲用除草剤「ウツベシMX ジャンボ/エアー粒剤」販売開始 シンジェンタ2025年1月21日
-
【機構変更及び人事異動】杉本商事(4月1日付)2025年1月21日
-
【機構改正・人事異動】ニッスイ(3月1日付)2025年1月21日