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【Jミルク需給変動対策】初の155億円規模基金 非系統含む全酪農家、業者参加を2025年3月21日

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生処販で構成するJミルクは19日、臨時総会を開き生乳需給変動に対応した基金造成の特別事業を決めた。7年間、最大155億円規模。常設で業界自らがこれだけの規模で需給対応基金をつくるのは、他作目を含め前例がない。需給混乱の一因ともなっている非系統業者にも参加を呼び掛ける。(農政ジャーナリスト・伊本克宜)

会見で全酪農家、乳業者参加の需給変動基金造成を説明するJミルク会長ら会見で全酪農家、乳業者参加の需給変動基金造成を説明するJミルク会長ら

■MMJなど非系統も拠出を

同日の会見で大貫陽一会長は「全国の酪農家、関係業者に今回の新たな生乳セーフティーネット(安全網)への参加を呼び掛ける」として、北海道で生乳集荷シェアを拡大しているMMJなど非系統の自主流通業者、指定団体に出荷していない酪農家も含め、全国規模の基金拠出を求めていくとした。

事業名は「酪農乳業需給変動対策特別事業」生産者と関係業者に一体で、これだけ大規模の基金造成は初めて。生乳需給は「ミルクカーブ」を言われる一定の間隔で過不足を繰り返してきた。特に過剰時に大きな政治問題に発展している。こうした過去の反省も含め、今回の対応となった。

■拠出単価、乳業は最大キロ20銭

想定している財源規模は、コロナ禍で脱脂粉乳過剰在庫など生乳需給緩和となった2022年度からの3年間の対策などを踏まえ、2025年度から31年度までの7年間で最大155億円規模となる。計算上は単年度22億円強となるが、年度ごとの需給状況や生乳生産量で異なる見通し。財源拠出単価は生乳キロ当たり15銭。拠出割合は生産者と乳業者が1対1とするが、乳業メーカーの積極的参加を促すためプラス5銭の最大20銭の枠組みを作る。

■食料安保へ「事前の備え」

これまでの3年間の過剰在庫対策は、国の支援も得た緊急対策で総額120億円超。今回は155億円と大きく上回る。加えて、「ミルクカーブ」なども踏まえで7年間の中期的なスパンで常設の基金としたことが、これまでの対応とは全く異なる。

あくまで主眼は乳製品過剰時の持続可能な酪農・乳業を維持するための仕組みだが、過不足対策として乳製品が大幅に不足すると見込まれる時の計画的増産対策でも機能するよう役割を果たす。

ポイントは、現在の脱脂粉乳在庫対策に伴う負担が指定生乳生産者団体傘下の酪農家に偏在している中で、指定団体に出荷していない非系統を含めた全参加型需給対応に動き出したことだ

◎需給変動対策ポイント
〇概要 緊急時に活用する「保険」的役割
・系統、非系統を問わず国内全ての酪農家と乳業メーカー拠出で新基金造成。大幅な過不足の生乳需給変動に対応する新たなセーフティーネットを目指す
・酪農・乳業界の安定、持続可能な国産牛乳・乳製品供給には不測の事態などを踏まえた乳製品の需給変動に迅速に対処する準備を業界全体で構築。

〇事業内容
・乳製品在庫削減対策
家畜飼料用への転用、輸入調製品との置き換え、海外への輸出、市場隔離
・発動基準
基金検討開始指標→検討開始は在庫水準が脱粉で6・0カ月、バター5・5カ月。賞味期限や過剰域の一歩手前の想定。発動開始目安は脱粉が同8・0カ月、バター6・5カ月。
・計画的増産対策→乳製品が大幅に不足すると見込まれる時。計画的増産対策は早急に検討

■業界自らのセーフティーネット

酪農の安定には、実効性のある生乳需給調整が最大のカギを握る。コロナ禍で外食産業などの需要不振から生乳需給緩和が深刻化し、特に需要減退が堅調な脱粉の過剰在庫削減が大きな問題となった。放置すれば生乳生産全体の抑制にもつながり、コスト高止まりの中の減産は酪農家の経営悪化に直結するからだ。

そこでJミルクは、22年度から「酪農乳業乳製品在庫調整特別対策事業」をスタート。生産者・乳業メーカーの拠出を原資に、国の支援も得ながら脱粉過剰在庫削減を進めてきた。22~24年度までの3年間で約9万トンの在庫削減で、5万トン台の適正在庫実現に効果があったとみられる。差額負担をしながら、脱粉の家畜飼料への転用や輸入調製品との置き換えを実施してきた。

新年度からの基金造成は、新たなセーフティーネットとして機能する体制を目指す。

■国の財政支援も焦点

ただ、今回の需給変動対策は本来、国が主導で行うべきとの指摘も強い。新酪肉近を論議した畜産部会や自民党畜酪委員会でもこうした声が相次いだ。

農水省は、酪農行政のセーフティーネット対策として、加工原料乳の補給金制度、乳製品下落時に一定割合を補填する酪農版ナラシ対策の二つを挙げている。ただ、酪農家の支援対策としては極めて限定的だ。Jミルク特別対策を全面的にバックアップする対応が問われる。特に、改正畜安法で、北海道を中心に非系統生乳シェアが年々増え指定団体の共販率が9割ラインに近づいて中で、需給調整参加を前提とした基金拠出は、今後の生乳需給安定の大きなカギを握る。

■農水省クロスコンプライアンスと「連動」

農水省は、新たに酪農関連の主要8事業を対象に、25年度から生乳需給調整への協力を補助金支給の要件にする「クロスコンプライアンス」を導入する。酪農地帯に広く普及する施設整備を支援する「畜産クラスター事業」など主要8補助事業を明記した。

◇改正畜安法の需給調整対応状況
・指定団体が契約違反への対応を強化する
ための省令改正実施
① 期中の出荷先変更には契約違反を問えるよう運営を明確化
② そのうえで、契約違反を繰り返す生産者からの翌年度分の取引申し出は拒むことができるようにする
・生乳需給調整施設の整備支援(2024年度補正予算)→稼働率向上へ既存加工施設の融通についても議論
・全参加型の脱粉在庫対策など需給調整→新たに2025年度から全国需給調整の資金拠出を主要補助事業の申請要件とする「クロスコンプライアンス」を導入

需給安定に向けた全国的な取り組みの負担を条件とする。生産者団体や乳業メーカーでつくるJミルクが実施する、脱粉在庫削減対策の基金への拠出を想定。今回のJミルク新事業と「連動」する形だ。

生乳需給調整の「クロスコンプライアンス」は、今回の8事業に加え、25年度以降の対象拡大も検討する。

生乳出荷先にかかわらず、総出荷量を基準として相応の負担を求める。25年9月までは移行期間として、10月分から拠出実績を確認する方針だ。

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