生乳需給、楽観視できず Jミルク、上期見通し2013年7月24日
一般社団法人Jミルクは7月24日、25年度上期の生乳・牛乳乳製品の需給見通しを公表した。
上期(4?9月)の生乳生産量は、5月までは北海道で前年をやや上回って推移し、都府県でも前年度をやや下回る水準で推移してきた。
しかし、今後は北海道・都府県とも生産量を支えてきた2?4歳の飼養頭数が前年度を下回って推移することが見込まれている。また、7?9月期(第2四半期)は北海道で、乾乳牛が増加する見込みだという。
これらの要因で生乳生産量は全国で前年比99%の380万3000tとなる見込み。5月公表の予測より2万4000t下方修正した。とくに北海道では前年比100.3%の199万2000tだが、前回比では2万1000t下方修正した。 牛乳類の生産量は前年比99%の251万3000リットルの見通し。「牛乳」は同99%の154万1000リットル、「加工乳」は同89.2%の6万5000リットル、「成分調整牛乳」は同93.2%の17万9000リットルといずれも前年度を下回る。ただ、「乳飲料」は同101.5%の72万8000リットル、「はっ酵乳」は4?5月実績を受けて前回予測より下方修正したものの、同104.2%の53万4000リットルと好調な推移を見込んでいる。
都府県の生乳供給量は179万7000t(同97.6%)で需給は5万tの不足見通しだが、北海道からの移入量が第2四半期で前年度を上回り、上期で18万5000tとなる見込み。北海道では生産量の減少が見込まれているが、都府県への供給が危惧される状況ではないという。
脱脂粉乳は上期中に5000tのカレントアクセス輸入分が売り渡されることもあって、在庫は前年比112.7%の4万4800t(3.8か月分)の見込み。
バターの在庫も同102.8%の2万2900t(3.7カ月分)と前年度を上回る見込み。
Jミルクの予測は気温を平年並みと設定しているが、気象庁は6月発表の3カ月(7?9月)予報で、今年の夏を高温と見込んでいる。このため、Jミルクは「今後の気温や天候によっては、とくに夏季において、本予測以上に生乳供給量が低下し、一方で牛乳等需要が増加することにより、一時的に需給がひっ迫する可能性もある」と指摘。「酪農関係者は暑熱対策や飼養管理対策を徹底し、生乳生産量の低下を最小限に留めるように努めることが重要」と強調している。
また、9月からの学乳開始にともなって、短期的な生乳需給のひっ迫の可能性もあることから、広域生乳の需給調整が円滑に行われるよう、情報の共有化、適切な情報発信に努めるなど、きめ細かい対応が求められるとしている。
(関連記事)
・都府県の生乳生産コスト、1頭あたり89万円(2013.07.05)
・牛乳生産量0.2%増 5月の牛乳乳製品統計(2013.06.26)
・5月の販売乳量0.3%増 中央酪農会議(2013.06.18)
・「牛乳ヒーロー&ヒロイン」募集 Jミルク(2013.06.04)
・生乳生産量上期見通しを下方修正 Jミルク(2013.05.24)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日