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JA全農、養豚4農場を表彰2013年9月18日

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畜産経営研究会で成果報告

 JA全農畜産生産部は9月5日に畜産経営研究会第8回養豚部会を東京・大手町のJAビルで開いた。当日は「くみあい養豚生産管理システム」(PICS)を活用して生産性向上と良質な豚肉を生産している4つの農場を表彰、受賞農場の事例を報告をもとに今後の経営改善課題などを話し合った。

発表会のようす 養豚農場の経営管理を各種のデータを把握して行うくみあい養豚生産管理システム(PICS)を利用している農場は330。安定基金総加入戸数のうち21%が利用している。
 現在はネット版のWebPICSも導入され、今年8月現在、273農場が加入している。 当日はこのPICSで収集されたデータをもとに養豚経営の地域別分析結果が報告された。離乳頭数や事故率、出荷頭数などに地域差があることや、家族経営と法人経営でもそれぞれに特徴があることなどが示された。こうした分析は初めてのことだという。研究会では、地域による気候や経営形態をふまえ今後さらに要因分析をすることや、PICSの新機能などの活用の必要性も指摘された。

(写真は発表会のようす)

◆PICSで作業管理

 表彰農場のうち鹿児島県鹿屋市輝北町の安藤農場は分娩率で表彰された。23?24年比で9.1%上がったことが評価された。同農場は安藤さん夫妻2人で経営、銘柄豚「きほくスターポーク」を生産している。
 報告したJA鹿児島県経済連養豚事業部の有川仁さんは成績改善の取り組みとして▽平均産歴の改善▽飼料給与量の改善(給与量を増やす)▽環境改善(ダクトファンの設置など)、を挙げた。今後も離乳率の向上、事故率の減少に取り組むなどと紹介した。
 新潟県津南町の中島養豚は離乳頭数がこの1年で3.42頭増えたことが評価された(5か月前母豚数比)。家族4人で水稲やスイートコーン栽培などとの複合経営を行っている。 生産性向上に向けてPICSによるデータ管理を徹底し、作業計画を立てるとともに、複合部門の作業時間も調整して豚を管理する時間を増やすことで離乳頭数の増加につなげた。今後は、正常な母豚数を設定し過密を解消することや、田畑面積を維持して循環型農業による地域貢献をめざすなどと中島正人さんは話した。

◆JAグループが支援

 愛媛県の(有)菊間仙高牧場は出荷頭数がこの1年で2.6頭増えたことが評価された(10か月前母豚数比)。平成24年に創立40周年を迎えた。出資者8人、従業員8人の計16人。この春には新卒者2人も入社するなど世代交代も進んでいる。
 繁殖成績向上のため暑熱対策としてミストファン(交配舎)やダクトファン(分娩舎)を設置したところ、受胎率が向上。夏でも80?90%を維持しているという。
 そのほか種付の作業スケジュールの見直しを行い「その日の人工授精分はその日に採取」を実践し産子数が増加した。豚舎では出荷後の洗浄、消毒を作業分担により徹底させることで病気発生が減少し事故率の低下につながった。
 今後も飼料の工夫、衛生プログラムの工夫で肥育成績のさらなる向上をめざすと渡部充幸農場長は話した。
 北海道名寄市の(有)鈴木ビビッドファームは上物率をこの1年で3.7%上昇させたことが評価された。日本最北のSPF農場である。家族4人の経営でアスパラガスとネギも栽培する。
 報告したホクレン旭川支所の造田直哉さんは同農場の上物率向上の取り組みとして▽こまめな観察と体重測定▽分娩舎・子豚舎の洗浄の徹底▽季節の変化にあわせた環境調節、などを挙げた。また、出荷直前に1頭づつ体重を測定してナンバリングし、と畜後には1頭づつのデータを分析して問題解決につなげているという。これはホクレンとの連携で実現している。
 鈴木正社長の「後継者とともに、攻めの養豚経営に挑戦し、消費者に安全安心を届けたい」とのメッセージも紹介された。

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