鈴木稔さん(岩手)が最優秀賞 酪農経営体験2013年10月1日
第31回全農酪農経営体験発表会
JA全農は9月27日、東京品川のコクヨホールで第31回全農酪農経営体験発表会を行った。全国から集まった6人の酪農経営者が自身の取り組みを紹介。岩手県滝沢村の鈴木稔さんが最優秀賞に選ばれた。
◆JA全農「全力でバックアップ」
この発表会は、優れた酪農経営者の経営内容や技術を広く全国に紹介しようと、毎年、JA全農が開いているもの。口蹄疫の発生や東日本大震災などの影響による中断もあったが、昨年3年ぶりに再開した。
今年の参加者は年齢では30代から60代まで、そして女性の経営者もあり、幅広い発表会となった。
JA全農の小原良教常務が、「(発表者が)これまでの人生のすべてをぶつけるような発表会だった。JA全農として全力でバックアップしたいと思った。発表した6人は全員が全国酪農家のお手本になるだろう」と称賛した。
(写真)
あいさつするJA全農小原常務
◆ポイントは「繁殖と堆肥処理」
最優秀賞を受賞したのは「徹底した管理による循環型酪農の追及」をテーマにした岩手県の鈴木稔さん。「効率的な繁殖管理を行い、また負債も少なく安定した経営を行っていることが評価された。また、良質な堆肥をつくり無人販売所で年間800万円を売り上げていること、30年以上障害者を受け入れ、社会的貢献を果たしていることもポイントだった」(小林信一審査委員長(日本大学教授))。
鈴木さんは「就農して15年間、これまでの思いや活動を発表できてよかった。繁殖を制するものが酪農を制する、と言われているが、まさに酪農家にとって一番の問題は繁殖だと思う。それと併せて堆肥処理の重要さという、この2点を訴えたかった」と受賞の喜びを述べるとともに、家族や仲間への感謝の気持ちを語った。
そのほか、青森県神北郡六ヶ所村の大森敏雄さん、長野県南佐久郡南牧村の吉沢鷹浩さんの2人が特別賞を受賞した。
この日は、発表会のほかにも、第7回全農学生「酪農の夢」コンクールの表彰式も併催され、最優秀賞を受賞した磯沼杏さん(明治大学農学部食料環境政策学科3年)、優秀賞を受賞した竹中彩香さん(中国四国酪農大学校酪農科1年)、大和田光熙さん(福島県農業総合センター農業短期大学校畜産学科酪農専攻1年)、砂田智子さん(岡山県立高松農業高等学校畜産科学科大家畜専攻3年)の4人が座談会を行い、将来へ向けた夢や課題を発表した。
(写真)
最優秀賞を受賞した岩手県滝沢村の鈴木稔さん
◇
第31回全農酪農経営体験発表会の受賞者と発表テーマは次の通り(敬称略)。
【最優秀賞】
▽「徹底した管理による循環型酪農の追及」鈴木稔(岩手県滝沢村)
【優秀賞・特別賞】2人
▽「地域の中心として?60代からの再チャレンジ?」大森敏雄(青森県神北郡六ヶ所村)
▽「地域と共に成長する酪農経営を目指して」吉沢鷹浩(長野県南佐久郡南牧村)
【優秀賞】3人
▽「『地域循環型酪農』?楽しい家族酪農生活?」熊谷直哉(北海道紋別郡和湧別町)
▽「家族4人による乳肉複合経営の確立」鹿沼のぞみ(群馬県伊勢崎市)
▽「先進ツールを活用した酪農経営」川上哲也(島根県出雲市)
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