豚流行性下痢防疫マニュアルおよび疫学調査中間取りまとめ作成 農水省2014年10月27日
農水省はこのほど、豚流行性下痢(PED)について、行政機関、農家、畜産関係者が留意すべき防疫対策を整理し、飼養衛生管理基準の遵守およびワクチンの適正使用を基本とした新たな防疫対策を防疫マニュアルに規定し公表した。また、疫学調査の中間取りまとめを作成し公表した。
農水省は、昨年10月以降、全国的に発生が確認されている豚流行性下痢(PED)について、今年6月に「今後の豚流行性下痢(PED)対策について」を打ち出しているが、このうち防疫マニュアルの作成および疫学調査については「防疫マニュアルの策定に関する検討会」などで、専門家の議論を進めてきていたがこれらを踏まえて、
△早期発見のための通報基準を明確化
△発生農家から非発生農場への復帰の要件を明確化
△発生農場情報の共有範囲や共有内容を明確化
△特別防疫対策地域の指定の仕組みを創設
△本病対策の参考となる事例(17件)を記載
を新たな防疫対策としてマニュアルに期待した。
昨年10月に7年ぶりに国内で発生が確認されたPEDは、今年8月までに38道県817戸で発生が確認されている(発生頭数約123万5000頭、死亡約37万8000頭)が、5月下旬以降は発生が減少傾向にあり、9月以降は4都県4戸で発生が確認されている(発生頭数709頭、死亡61頭)。
疫学調査の中間取りまとめによれば、今回確認されたウイルスは北米型およびINDELs型の2種類の株が存在することが明らかになったが、いずれも1980年代および90年代に国内で確認されていた株とは異なるものだった。
海外からの侵入要因は、輸入される生体豚、飼料や畜舎の材料・資材、渡航歴のある農場関係者などが考えられたが、「具体的なウイルスの侵入経路の特定には至らなかった」。
国内での感染拡大については、生体豚、車両、物又は人の移動によって感染が拡大した可能性がかんがえられる」としている。
なお、防疫マニュアルおよび中間取りまとめの詳細は農水省ホームページで。
(関連記事)
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