生乳の増産・維持基本に事業展開-中酪の28年度事業2016年3月22日
(一社)中央酪農会議は3月17日の総会で28年度の事業計画を決めた。
中酪によると、全国の生乳生産は各地の生産基盤強化対策が功を奏して比較的堅調に推移しており、酪農経営は飼料価格が高止まりで厳しいものの、乳価値上げや和子牛など副産物価格が高騰し経営後転への期待はあるものの、本格的な回復の途上だとみている。 牛乳の消費は価格改訂後も比較的堅調で、また、発酵乳は好調に推移している。国産牛乳・乳製品への消費者の期待と信頼に応えるよう安定供給と品質確保が重要になっており、これらの課題に応えるために生産現場では雌牛増頭や担い手確保、さらにTPP発効をにらんだ経営安定対策の充実が課題となっている。
こうしたなか、28年度事業計画の重点事項として▽指定団体の生乳受託販売・流通合理化等の取り組み支援、▽生乳生産の回復と酪農経営の安定を図る観点から国等の事業を活用した生産基盤の維持強化、▽TPP発効を見据えた国産牛乳乳製品の価値向上と理解醸成の中長期戦略の構築と実行をあげている。
規制改革会議で酪農乳業の制度改革がテーマになっていることから、指定団体制度の意義と役割について酪農家と国民への啓発・理解醸成にも取り組む。
とくに国民に向けては、新興国の需要増大から乳製品の国際市場は中長期的にはひっ迫基調が予想され、また中国の不安定な需要動向のなかで、国内自給と日本酪農の重要性と意義などを発信していく。
生乳の計画生産と需給調整については27年度に決定した「3年間は生乳の増産・維持とする中期計画生産」の2年めとして引き続き実施する。
供給目標数量は675万8000t。このうち加工原料乳地帯に優先的に配分する特別調整乳数量は6400tとしている。そのほかチーズ向け・全乳哺育向け等新たな需要を創出する生乳を対象として指定団体からの申請で配分する選択的拡大生産量も加わる。
また、新規就農枠として前年度の1万tを2万tに引き上げる。新規就農者枠の個別経営の上限数量は個人経営500t、法人経営3000tとする。ただし、申請全体が2万tの範囲内であれば上限を超えた分を配分することも可能とした。
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