養豚作業のアグリテック化へ実証実験 コーンテックと共同ファーム2020年8月26日
株式会社コーンテック(熊本県熊本市、吉角裕一朗代表取締役)は、有限会社協同ファーム(宮崎県児湯郡、日高義暢代表取締役)との共同で、養豚のアグリテック化を目指した実証実験に乗り出した。人の経験値に頼りがちだった諸々の作業をモニタリングし、経営資源の6割を占めるエサ代の大幅削減などで畜産農家の利益体質を導きたい考え。
豚の個体識別画面
![豚舎上部にカメラを設置](https://www.jacom.or.jp/niku/images/nous20082601_2.jpg)
「エサ代」だけで経営コストの60%を占めるといわれる畜産業は、深刻な後継者不足なども手伝い経営悪化を招くケースが多い。そんな課題解決をめざした今回の実証実験に対する業界の関心は高く、期待も膨らんでいる。
すでに始まっている実証実験の目的は、養豚分野の人手不足解消と養豚農家の利益改善を目指した「アグリテック化」にある。共同ファームの豚舎で飼育される豚に関する様々なデータをIoT機器で収集し、AIを使った分析を加えることでより最適な養豚モデルの構築を目指している。
現場で収集する様々なデータは体重や体温、外気温、音声など多岐にわたり、設置するセンサーやサーモ、モニター、マイクなどを通じてより正確な把握を試みる。豚舎上部に設置するカメラで豚の長さや幅を計算して体重を推定したり、豚の顔写真から個体を識別し、他の諸々のデータと付き合わせることで、個々の成長や健康状態が分かったりするようになる。
豚の鳴き声など豚舎内の音を常時録音して得る音声データからも、豚の健康状態や豚舎で異常事態が発生していないかどうかが確認できるようになる。
従来、とりわけ生産性の低さが指摘されてきた畜産業は、人の経験値に頼た作業が多く、マニュアル化はほぼ不可能とされてきた。実証実験では、自家配合プラントの構築や飼料マネジメントなども手掛けることになっており、20~30%以上のコスト削減が狙われている。
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