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豚熱とアフリカ豚熱の同時診断が可能 新遺伝子検査法を開発 農研機構×タカラバイオ2021年11月2日

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農研機構動物衛生研究部門とタカラバイオは共同で、検体からウイルス核酸を精製することなく、豚熱ウイルスとアフリカ豚熱ウイルスの遺伝子を簡便かつ同時に検出できるリアルタイムPCR法を開発。これまでそれぞれ6時間かかっていた豚熱とアフリカ豚熱の判定・識別を、1回2時間の検査で実施できるようになり、両疾病の迅速な摘発や早期の防疫措置の発動に役立つと期待される。

(上)アフリカ豚熱と豚熱の臨床症状は発熱、元気喪失、 食欲不振など極めて類似し、診断、鑑別には遺伝子検査が必須  (下)新しいアフリカ豚熱(ASF)と豚熱(CSF)の検査法(上)アフリカ豚熱と豚熱の臨床症状は発熱、元気喪失、
食欲不振など極めて類似し、診断、鑑別には遺伝子検査が必須

(下)新しいアフリカ豚熱(ASF)と豚熱(CSF)の検査法

アフリカ豚熱(ASF)は、致死性が極めて高く、未だ治療法や予防法のない豚やイノシシのウイルス感染症。これまで国内での発生はないが、現在、地球的規模で猛威を振るっており、東アジアや東南アジアなど近隣の地域でも続発していることから、その侵入には厳重な警戒が必要だ。

一方、2018年に26年振りに国内で発生した豚熱(CSF)は、現在も国内の養豚場で発生が相次ぐとともに、野生イノシシでの感染も拡大している。両疾病は、ともに家畜伝染病予防法で指定される重要疾病だが、臨床症状が酷似することから、診断には遺伝子検査が必要。ASFとCSFの防疫措置を確実かつ効果的に実施するには、迅速かつ実用性に優れた遺伝子検査法の開発・普及が必要とされる。

農研機構とタカラバイオは、現在、都道府県の検査施設で汎用されている検査法に大幅な見直を実施。簡易な前処理のみで検査が可能な抽出試薬や夾雑物による阻害を受けにくいPCR酵素を採用することで、検査材料からのウイルス核酸の精製工程を経ずに、一度の検査で両疾病を簡便・迅速に判定できるリアルタイムPCR法を開発した。

この新検査法は、国が定める「特定家畜伝染病防疫指針(令和3年10月1日改正)」の診断マニュアルに記載されているリアルタイムPCR法の一つとして、国や都道府県の病性鑑定施設等で利用されることが期待される。

同検査法に対応するPCR試薬群は、11月1日にタカラバイオから発売された。

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