北海道の肉牛・乳牛農家に糞尿の堆肥化装置「ERS」の導入決定 JET2022年1月5日
急速発酵乾燥資源化装置「ERS」を製造・販売する株式会社JETは、株式会社トップファーム(北海道常呂郡佐呂間町)が取組主体として参画する「畜産クラスター補助金事業」に設備を採用された。同事業では、肉牛・乳牛を約1万3000頭飼養する農家に、ERS-5型を3台導入し、1日あたり75トンの家畜糞尿を堆肥化することを計画している。
約1万3000頭の肉牛・乳牛を飼養するトップファームは、約700頭の増頭計画に伴う課題として、「既設の堆肥舎では家畜糞尿の処理が追いつかなくなること」、「飼養管理に比重が傾くことから、堆肥購入者のニーズである堆肥の含水率まで攪拌作業に労働力を割けなくなること」、「地域内で供給過剰傾向にある堆肥の過剰散布で町の地下水汚染が進行」と3つの懸念を抱えている。これらを解決する条件として「処理能力の向上」「必要労働力の低減」「環境に配慮した堆肥化」のすべて満たす施策を探していた。
「ERS」は微生物のはたらきを活用した急速発酵乾燥装置で、装置本体内部に定植した土着菌が50~60℃の発酵熱を放出し、内部を機械的に低圧に設定して沸点を50-70℃に保つ。これにより、糞尿処理において大腸菌や種子などの有害菌を死滅させ、排水・悪臭を出さず衛生的な環境を保ちながら、低含水率(約30%)の高品質な堆肥を一日で製造。一般的な堆肥化が3~6か月間におよぶ自然発酵でメタンガスを発生させるのに対し、同装置では数時間で処理を終えて温室効果ガスの排出も抑えられる。
トップファームは、現行の堆肥舎も継続することから、現行の堆肥(含水率約60%)を混ぜ合わせることで、含水率を抑えた堆肥を安定供給することが可能になり、地域外へ堆肥販売を拡大、収益増加を期待。さらに、堆肥は敷料に活用でき、敷料購入コストを大幅に低減することもできる。
経営改善が見込まれることから、ERSは畜産クラスター補助金事業および中小企業等経営強化法に基づく税制措置の対象となっている。今回の導入決定は、農業生産法人 株式会社エフシーエス(北海道川上郡標茶町)の導入事例が評価されて実現。畜産クラスター補助金の活用は2件目となる。
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