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腸内微生物叢改善による子牛の難治性下痢症を改善 東北大学大学院・千葉県農業共済組合2022年2月22日

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東北大学大学院農学研究科と千葉県農業共済組合の研究グループは、難治性下痢症を発症する子牛に対する糞便移植により、70%の割合で、その症状を劇的に改善させることに成功した。

子牛の難治性下痢症制御を目的とした糞便移植技術.jpg子牛の難治性下痢症制御を目的とした糞便移植技術

子牛の下痢症がもたらす経済損失は年間10億円と甚大で、治療としては抗菌薬が多用されているのが現状。家畜生産現場から生まれる薬剤耐性菌が世界レベルの問題として取り上げられており、抗菌薬のみに依存しない、新たな疾病制御技術の確立が急務とされている。

東北大学大学院農学研究科 食と農免疫国際教育研究センターのIslam Jahidul特任助教、野地智法教授と、千葉県農業共済組合 北部家畜診療所の田中秀和副所長らの研究グループは、糞便移植による子牛の下痢症制御を可能にするための研究基盤を構築した。腸内に生息する微生物は、個体の健全性を保つ上で重要な役割を有していることが、近年の研究から次々と明らかにされている。

今回、難治性に至った下痢症を発症するレシピエント牛に対し、健常ドナー牛より採取した糞便を移植することで、その症状を劇的に緩和させることが可能であることを実証した(図1参照)。加えて、子牛の下痢症制御を目的とした糞便移植が効果的である理由を、ドナーとレシピエントの糞便を用いた細菌叢解析(メタゲノム解析)および代謝物解析(メタボローム解析)により解明。有効性に関わる細菌および代謝物を探索することに成功した。

同研究成果は2月21日、英国BioMed Central (BMC)社が発行する科学誌『Microbiome』に掲載された。

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