ニュージーランド北海道酪農協力プロジェクト「放牧酪農WEBセミナー」実施 ファームエイジ2022年3月4日
ニュージーランド政府、フォンテラジャパン、ファームエイジが主体となるニュージーランド北海道酪農協力プロジェクトは2月21日、放牧酪農に関するWEBセミナー「放牧酪農WEBセミナー Vol.04」を開催。酪農家、関係団体など、北海道と全国から40人が参加した。
第4回は、ニュージーランド(NZ)におけるオーガニック酪農と未来の畜産をテーマに、NZコンサルタントからのアドバイスをもとにディスカッションを実施。参加者からは、多くの質問が寄せられ、活気にあふれた90分となった。
講師として登場したのは、ニュージーランドでオーガニック酪農と未来の畜産をめざし、夫と牧場を経営するキャシー・テイトジェイミーソンさん。NZでも珍しいオーガニック農場を営んでおり、家族経営で加工品まで作っている。
土地と家畜の所有、加工、ブランドと、3つに分けて管理しており、草地面積は270ヘクタールでその内借地が25ヘクタール。乳牛126頭(うち搾乳牛61頭)肉牛135頭、ヒツジ250頭など、すべての動物は通年放牧されている。基本的に年間を通じて穀物の栽培はしておらず、餌は牧草をメイン。土壌分析は3年に1回行い、pHの調整と不足を石灰や微量要素を活用し、補っている。
生産物(加工品)や販売については、自社でヨーグルトを製造。市場の需要に対して生産量を調整しており、余剰のミルクは牧場内のブタに給与することもある。ヨーグルトは1週間で5~6回作っており、自社内でボトル詰めまで行い、代理店を通じNZ全土に向けて販売している。
オーガニック認証登録は農場、工場で取得。放牧酪農を通じて持続可能な農業に取り組んでいる。一方で、代替ミルクや、今後の畜産の在り方についても話があり、自然から生まれる草を活用する放牧酪農はまだ多くの可能性があるということを伝えた。
この日のまとめとしてファームエイジの高田健次氏は「知識があるだけではなく、それをどのように発揮できるかが大切。酪農・畜産において、持続可能性を意識した取り組みの一つが、放牧という選択肢なのだと思う。さらにその向こうには地域のコミュニティであったり、消費者がいるので、多くの方と情報共有しながら今後もこのような活動を続けていきたい」と話した。
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