『牛のげっぷ』抑制に向けて 簡易メタンガスモニタリングシステムを開発 北里大など2022年6月14日
北里大学獣医学部動物飼育管理学研究室(青森県十和田市)と同大学発のベンチャーであるライブストックジャパン合同会社は6月14日、畜産現場で発生するメタンガスの簡易モニタリングシステムを開発したと発表した。
畜舎での測定
牛のげっぷで排出されるメタンガスを削減するために、消化管内の微生物叢を制御する研究や、新たな飼料添加物の開発、育種改良に関する研究が研究機関や大学で進められている。
「みどり戦略」でも「牛のげっぷや家畜排せつ物由来の温室効果ガスを抑制する飼料の開発」に取り組むことが盛り込まれている。
畜産からのメタン排出削減の取り組みを加速させるには、さまざまな条件下でメタンガスをモニタリングする必要があるが、高額な分析装置や、大型のチャンバーとよばれる測定装置が必要とされるなど、畜産現場で簡単に取り組める状況ではなかった。
北里大学らのグループが開発した「簡易メタンガスモニタリングシステム」は、半導体ガスセンサーとケーブルをパソコンにつなぎ、専用アプリを起動してメタンガス濃度をモニタリングする仕組みだ。専用アプリ画面ではメタン濃度の推移が折れ線グラフで示される。
このシステムにより、これまで難しかった畜産のさまざまな条件下でのメタンガスのモニタリングができるようになるという。メタンガス削減の研究が加速することが期待される。
この「簡易メタンガスモニタリングシステム」は、ライブストックジャパン合同会社がこれまで開発しサービスを提供している「畜舎の熱環境見守りサービス サーモニ」、「畜舎の換気状況見守りサービス サーモニCO2プラス」に次ぐ、シリーズ製品「サーモニ メタン」として研究機関を対象に7月1日から試験販売をする。
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