乳価10円上げで妥結 関東生乳販連2022年7月21日
関東の酪農家約2200戸が生産する生乳を販売する関東生乳販連は、7月20日の理事会で乳業大手3社から示された飲用向けと発酵乳向け生乳を1㎏当たり10円値上げするとの回答を受け入れることを決めた。
生乳の生産コストの大幅な上昇を受けて、関東生乳販連は6月上旬に9月1日から飲用向乳価を1㎏当たり15円値上げする期中改定を大手3社(明治、森永、雪印メグミルク)に要請した。
その後、6月下旬から7月にかけて交渉したが、3社からの回答は10円の値上げで11月1日からの実施だった。コロナ禍の影響で牛乳乳製品の需要が減退し、脱脂粉乳は過去最高水準と在庫となっているなか、これ以上の値上げが最終製品のさらなる消費減につながりかねないと、回答の受入れに合意した。期中改定は2013年以来、9年ぶりとなる。
関東生乳販連によるとウクライナ情勢や円安の進行で輸入飼料価格などが上昇し、生乳生産費は2019年比で1㎏25円上昇しているという。乳価の10円引き上げではコスト上昇分を補えない。
関東生乳販連は、乳価引き上げで補えない部分は国の支援を求めていく。配合飼料価格安定制度の異常補てん金基金の国から積み増しのほか、価格が高騰しても補てんの対象にならない輸入乾牧草への支援が必要だとする。
「小麦やガソリンの高騰対策のように牧草対策をやってもらえないか。中長期的な施策も必要だが、まず酪農家が生き延びられる対策が必要だ」と強調している。
(関連記事)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(139)-改正食料・農業・農村基本法(25)-2025年4月26日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(56)【防除学習帖】第295回2025年4月26日
-
農薬の正しい使い方(29)【今さら聞けない営農情報】第295回2025年4月26日
-
1人当たり精米消費、3月は微減 家庭内消費堅調も「中食」減少 米穀機構2025年4月25日
-
【JA人事】JAサロマ(北海道)櫛部文治組合長を再任(4月18日)2025年4月25日
-
静岡県菊川市でビオトープ「クミカ レフュジア菊川」の落成式開く 里山再生で希少動植物の"待避地"へ クミアイ化学工業2025年4月25日
-
25年産コシヒカリ 概算金で最低保証「2.2万円」 JA福井県2025年4月25日
-
(432)認証制度のとらえ方【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月25日
-
【'25新組合長に聞く】JA新ひたち野(茨城) 矢口博之氏(4/19就任) 「小美玉の恵み」ブランドに2025年4月25日
-
水稲栽培で鶏ふん堆肥を有効活用 4年前を迎えた広島大学との共同研究 JA全農ひろしま2025年4月25日
-
長野県産食材にこだわった焼肉店「和牛焼肉信州そだち」新規オープン JA全農2025年4月25日
-
【JA人事】JA中札内村(北海道)島次良己組合長を再任(4月10日)2025年4月25日
-
【JA人事】JA摩周湖(北海道)川口覚組合長を再任(4月24日)2025年4月25日
-
第41回「JA共済マルシェ」を開催 全国各地の旬の農産物・加工品が大集合、「農福連携」応援も JA共済連2025年4月25日
-
【JA人事】JAようてい(北海道)金子辰四郎組合長を新任(4月11日)2025年4月25日
-
宇城市の子どもたちへ地元農産物を贈呈 JA熊本うき園芸部会が学校給食に提供2025年4月25日
-
静岡の茶産業拡大へ 抹茶栽培農地における営農型太陽光発電所を共同開発 JA三井リース2025年4月25日
-
静岡・三島で町ぐるみの「きのこマルシェ」長谷川きのこ園で開催 JAふじ伊豆2025年4月25日
-
システム障害が暫定復旧 農林中金2025年4月25日
-
神奈川県のスタートアップAgnaviへ出資 AgVenture Lab2025年4月25日