豚熱で国内最多の5万4000頭殺処分へ 栃木県の農場で国内83例目確認2022年7月25日
農水省は7月23日、栃木県那須烏山市の養豚農場で国内83例目となる豚熱が確認されたと発表した。同農場で飼育されている約5万4000頭の豚はすべて殺処分されることになり、1農場の殺処分数としては国内最多となる。
栃木県などの発表によると、7月21日に同農場で豚の死亡数が増えているとの情報提供があり、22日に県の家畜保健衛生所が立ち入り検査をして血液検査などを実施したところ、豚熱の疑いが生じ、さらに国の研究機関で精密検査を行った結果、23日、豚熱であることが確認された。
これを受けて農水省は23日、「農林水産省豚熱・アフリカ豚熱防疫対策本部」を持ち回りで開き、▽農場で飼育されている豚の殺処分や焼埋却などの迅速な実施②感染経路等の究明に向けた国の疫学調査チームの派遣▽関係府省と連して、生産者、消費者、流通業者等への正確な情報提供▽農場の消毒や野生動物の農場侵入防止など飼養衛生管理基準の遵守に関する指導の徹底など、必要な防疫措置を進めることを確認した。
また、栃木県は豚の殺処分や埋却、消毒ポイント設置などにかかる経費として、知事の専決処分で18億円の補正予算を組み、防疫措置を進めている。同農場の5万4000頭の豚はすべて殺処分されることになり、処分数としては国内最多となる。
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