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生乳生産見通し 4年連続増産も3万4000t下方修正 Jミルク2022年7月29日

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Jミルクは7月29日、2022年度の生乳と牛乳乳製品の需給見通しを発表した。生乳生産は全国で4年連続の増産となる見込みだが、6月発表の見通しより下方修正した。

北海道では前年比101.4%の437万t見通し。都府県では同99.1%の330.5万tで、全国では100.4%とやや前年を上回る767.6万tとなった。

4年連続の増産となる見込みだが、6月3日公表の見通しからは全国で3万4000t減の下方修正となった。Jミルクによると北海道で2歳以上の雌牛が見通しより1000頭ほど少なかったほか、都府県で6月下旬からの猛暑で搾乳量が落ちたことなどが影響したという。

牛乳類の生産量は牛乳類全体で460.9万klで前年比99.5%の見通し。前回より▲0.6%減少すると見込んだ。家庭内需要は6月下旬の猛暑で回復したが、7月に入ってからは減退するなど「足元の需要が弱い」のが要因だという。

用途別処理量のうち乳製品向けの内訳は、「チーズ向け」が前年比105.5%、「生クリーム等向け」は同102.6%と増加するため、「脱脂粉乳・バター等向け」は同99.3%と前年を下回る見通しだ。

しかし、脱脂粉乳の期末在庫量は12万8700tと過去最高水準となることが見込まれている。前年比131.8%。

ただし、国の支援策も活用して飼料への置き換えなど期末までに2万5000t削減することや、ホクレンが4000tの需要確保対策を第1四半期に実施したことから、合計2万9000tが在庫から削減される。それでも10万3900tと昨年度末の9万7700tより多くなる。

一方、バターの期末在庫量は3万8100tで同96.2%と前年を下回る見込みだ。

また、北海道から都府県への「移入必要量(道外移出量)」は50万tで同102.9%と前年を上回る見通しだ。昨年は冷夏だったが今年は猛暑を見込んでいるため増えた。飲用最需要期となる9月は6万4000tで前年を大きく上回ると見通した。

こうした需給動向をふまえてJミルクは当面の課題をまとめた。

猛暑が見込まれるなか飲用向け需要が増えることが見込まれるなか、北海道から都府県への生乳輸送は都府県需給の一時的なひっ迫や、台風による船舶欠航の可能性についても、例年同様に想定し、牛乳売り場で混乱が起きないように事前の準備が重要と強調している。
また、10万t超える見込みの脱脂粉乳の在庫のさらなる積み増しは、生産者、乳業者の経営を一層圧迫することになるとして、引き続き全国協調の在庫削減対策を積極的に進めることが急務だとしている。

配合飼料価格の高騰など生産コストの増大で「酪農経営はかつてない厳しい環境に直面」しており、生産者からの買い入れ乳価引き上げとともに、製品販売価格への適切な転嫁が急務となっているが、一方では小売価格の引き上げで消費が減少する可能性がある。

Jミルクは、値上げの必要性の消費者への説明と酪農乳業への理解を深める活動、国や企業と連携した「牛乳でスマイルプロジェクト」の取り組みなどが重要になるとしている。

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