中国からの稲わら輸入停滞で「国内の広域流通の整備も」 野村農相が会見で2022年9月13日
新型コロナウイルスの感染拡大による中国国内の行動制限で、中国からの飼料用稲わらの輸入が滞っていることを受けて、野村哲郎農相は9月13日の閣議後会見で、「現時点でそれほど心配する事態にはなっていないが、広域流通も考えないとじたばたしないといけなくなる」などと述べ、稲わらの必要量確保に向けて流通体制の整備も考えたいとの認識を示した。
農水省によると、稲わらの国内の需要量は約70万tで、このうち約20万tを中国から輸入しているが、日本向けの稲わらの加熱消毒施設がある大連の外出制限の影響で検疫などの現地の輸出業務が停止され、輸入が停滞しているという。
これについて野村農相は会見で、「稲わらは畜産農家にとっては毎日与えるものなので、途絶えると影響は大きいが、地元の鹿児島の農家に聞いたところ、それほど心配する事態にはなっていないとのことだった」と述べ、現時点で深刻な事態は生じていないとの認識を示した。
そのうえで今後の対応について、「稲わらに関しては、南九州など一部地域では不足しているが、米どころの東北や北陸など国全体では余っている。広域流通を考えないとこういうときにバタバタすることになる」と述べ、広域流通の整備も考えたいとの姿勢を示した。
また、10月には全国的に稲刈りが始まって国産稲わらが多く出回るので、この1か月をどう乗り切るかが畜産農家や輸入業者の思いではないかと述べるとともに、緊急事態に備えてオーストラリアからの輸入も業者の間では検討されていることを明らかにした。
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