植物性飼料添加物の市場規模 2027年に12億2300万米ドル到達予測2022年10月4日
グローバルインフォメーションは9月28日、市場調査レポート「植物性飼料添加物の世界市場:種類別 (エッセンシャルオイル、フラボノイド、サポニン、オレオレジン)・家畜別 (家禽、豚、反芻動物、水生動物)・原料別・形状別・機能別・パッケージ別・地域別の将来予測 (2027年まで)」(MarketsandMarkets)の販売を開始した。
同レポートによると、植物性飼料添加物の市場規模は、2022年の8億6400万米ドルから年平均成長率(CAGR)7.2%で成長。2027年には12億2300万米ドルに達すると予測されている。植物性飼料添加物は、ハーブやスパイス、果物や野菜、花などの植物由来の天然成長促進剤または非抗生物質成長促進剤で、家畜の性能と健康をサポートする飼料添加物として使用されている。これらは、飼料産業全体の家畜の範囲に対応しており、天然添加物の使用は、世界各国で顧客による受け入れが増加している。
牽引要因: AGP(成長促進目的の抗生物質)の禁止後に天然添加物の需要の増加
家畜の病気は、生産と利益の損失、経済と国際貿易の混乱、および人間の健康へのリスクにつながる。ライフスタイルの変化、健康意識の向上、食の安全への関心が高まる中、高品質の食肉製品への需要が高まっている。家畜の病気には、人獣共通感染症と食中毒の2種類があり、人間の健康も脅かされる。病気の発生を抑え、家畜全体の健康を増進するため、植物性飼料添加物のような天然の添加物を選ぶ傾向が増えている。2006年にEUが動物用飼料への抗生物質の添加を禁止した後、栄養分の節約、最終製品の改善、使いやすさに有効な天然成長促進剤の需要が急増。有機酸、プレバイオティクス、プロバイオティクスなど、現在飼料に使用されている天然添加物のほとんどは、家畜の全体の発育に役立つ。
フマル酸、プロピオン酸、乳酸、ソルビン酸などの有機酸は、飼料を酸性化することで病原性細菌の定着を抑え、有害な代謝産物を減らす。プレバイオティクスとプロバイオティクスは、それぞれ異なる作用機序で胃腸の常在菌の増殖を助け、動物の飼料摂取量を増加。免疫の発達を促進する、持続可能で環境に優しいものといえる。
抑制要因:最終製品の価格高騰による利益率の低下
動物栄養業界で、高利益と高マージンを両立させることは難しく、過去20年間、利益率の高い製品は販売量が減少。家畜の所有者の利益率は、牧場の牛乳や牛肉などの最終製品の価格によって決まる。飼料用植物性添加物は新しくてニッチな市場。その需要は、成長促進剤として抗生物質が禁止された後に急激に増加した。市場が新しく、まだ発展途上であるため、認知度が低く、需要は多くない。通常、需要の少ない製品は、生産サイクルに影響を与えるため、コストが高くなるが、いったん需要が発生すれば、徐々に生産量が増え、最終製品の価格に反映する。価格の変動は、植物性飼料添加物市場の短期的な抑制要因となっているが、今後5~6年間は安定した速度で成長することが予想される。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(139)-改正食料・農業・農村基本法(25)-2025年4月26日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(56)【防除学習帖】第295回2025年4月26日
-
農薬の正しい使い方(29)【今さら聞けない営農情報】第295回2025年4月26日
-
1人当たり精米消費、3月は微減 家庭内消費堅調も「中食」減少 米穀機構2025年4月25日
-
【JA人事】JAサロマ(北海道)櫛部文治組合長を再任(4月18日)2025年4月25日
-
静岡県菊川市でビオトープ「クミカ レフュジア菊川」の落成式開く 里山再生で希少動植物の"待避地"へ クミアイ化学工業2025年4月25日
-
25年産コシヒカリ 概算金で最低保証「2.2万円」 JA福井県2025年4月25日
-
(432)認証制度のとらえ方【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月25日
-
【'25新組合長に聞く】JA新ひたち野(茨城) 矢口博之氏(4/19就任) 「小美玉の恵み」ブランドに2025年4月25日
-
水稲栽培で鶏ふん堆肥を有効活用 4年前を迎えた広島大学との共同研究 JA全農ひろしま2025年4月25日
-
長野県産食材にこだわった焼肉店「和牛焼肉信州そだち」新規オープン JA全農2025年4月25日
-
【JA人事】JA中札内村(北海道)島次良己組合長を再任(4月10日)2025年4月25日
-
【JA人事】JA摩周湖(北海道)川口覚組合長を再任(4月24日)2025年4月25日
-
第41回「JA共済マルシェ」を開催 全国各地の旬の農産物・加工品が大集合、「農福連携」応援も JA共済連2025年4月25日
-
【JA人事】JAようてい(北海道)金子辰四郎組合長を新任(4月11日)2025年4月25日
-
宇城市の子どもたちへ地元農産物を贈呈 JA熊本うき園芸部会が学校給食に提供2025年4月25日
-
静岡の茶産業拡大へ 抹茶栽培農地における営農型太陽光発電所を共同開発 JA三井リース2025年4月25日
-
静岡・三島で町ぐるみの「きのこマルシェ」長谷川きのこ園で開催 JAふじ伊豆2025年4月25日
-
システム障害が暫定復旧 農林中金2025年4月25日
-
神奈川県のスタートアップAgnaviへ出資 AgVenture Lab2025年4月25日