「酪農・畜産の灯を消すな」 生産者への支援訴えるオンライン署名に6万4000人2023年3月27日
あらゆる生産資材の高騰で厳しい経営に直面する酪農・畜産の生産者に対する政府の支援を訴えるオンライン署名の賛同者が6万4000人に達した。サイトには「軍事費よりも食料の安全保障を」「全国民で牛乳を飲もう!」と支援のコメントが続々と寄せられ、署名を呼び掛けた団体は近く農水省に提出することにしている。
オンライン署名を進めているのは、農民運動全国連合会(農民連)。呼びかけ文の中で、同団体は、飼料などあらゆる生産資材が高騰する中、生産費上昇が乳価や畜産物価格に転嫁されないため、生産者の離農・廃業・倒産が加速していると指摘。こうした状況にもかかわらず、政府は緊急の経営支援など離農・廃業を食い止める有効な対策を打ち出しておらず、「日本から、酪農・畜産産業の灯が消えかねない非常事態です」と訴えている。
そのうえで酪農・畜産の危機的状況を打開するため、▽飼料高騰に対する緊急対策の充実▽加工原料乳の生産者補給金引き上げ▽生産コストと乳価との差額補填制度の導入など、具体的な対応を求めている。
農民連は、ウクライナ危機や円安で飼料などが高騰し、酪農・畜産の生産者の経営状況が急激に悪化する中、すでに全国の生産者から農相あての「個人要望書」や署名を集めており、これまでに約1500人に達している。
同団体は、これに加えて一般の消費者にも酪農の厳しい現状を訴えて賛同を得ようと約2か月前からオンラインで署名への協力を呼びかけ、3月27日時点で賛同者は6万4000人に達した。また、コメント欄には、「軍事費なぞに税金を使わず、食の安全保障のために使ってほしい」「全国民にも日本の牛乳を飲もう!と呼びかけて下さい」などと生産者への支援を求める声が多数寄せられている。
同団体は「この1週間ほどで署名の賛同者が急激に増えてきている。新たに生産者から寄せられた声とともに近く農水省に提出したい」と話している。
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