アニマルヘルス事業で将来へ基盤強化 ベーリンガーインゲルハイム2023年4月21日
日本ベーリンガーインゲルハイムとベーリンガーインゲルハイムアニマルヘルスジャパンは4月20日、2022年(1~12月)の業績を発表した。
日本ベーリンガーインゲルハイムの売上は、2168億円(薬価ベース、前年比4.1%増)となり、「ジャディアンス ファミリー」と抗線維化剤の「オフェブ」が業績を牽引し前年を上回った。また、ベーリンガーインゲルハイムアニマルヘルスジャパンは、市場における競争の激化と、グローバル規模の供給課題の影響を受け、売上223億円(卸売出荷ベース、前年比5.1減)。日本におけるアニマルヘルス市場においては、予防と治療の双方で動物の健康につながる今後の成長に向けた基盤強化を進めた。
ベーリンガーインゲルハイムアニマルヘルスジャパンの約80%を占めるコンパニオンアニマル(小動物/ペット)分野においては、主力の犬猫用寄生虫駆除薬が堅調に推移。同市場で同社製品群は50%を超えるマーケットシェアで存在感を示している。特に犬猫用駆虫薬の「ネクスガード ファミリー」は、主軸製品の犬用オールインワン駆虫薬「ネクスガードスペクトラ」を中心に卸出荷ベースで110億円(前年比1.3%増)となり、ビジネスをけん引。2022年11月には、「ネクスガード ファミリー」から初の猫用薬剤となる「ネクスガードキャットコンボ」を発売し、さらなる成長の土台を強化した。
また、2022年9月には、「テルミサルタン」を有効成分とし、猫の慢性腎臓病および高血圧症の2つを1剤で治療できる「セミントラ10mg/mL経口液猫」を発売。猫の全身性高血圧症の適応を有する日本初の治療薬で、ベーリンガーインゲルハイムのヒト用降圧剤「ミカルディス」(有効成分テルミサルタンから動物用医薬品に転用・開発した。
ライブストック(産業動物)分野では、2022年5月に細菌性肺炎を適応症とする牛用抗菌剤「ザクトラン」を発売したほか、主力の豚分野では2022年8月に飼養豚の咳音検知および豚舎環境のモニタリングシステムの「SoundTalks」の全国展開を開始。インゲルバックシリーズなど主力の豚ワクチン製品に加え、AIなどデジタル技術を活用したSoundTalksの展開により、養豚業界における飼養豚の健康維持、農場の生産性向上・出荷品質向上に向けて支援している。
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