飼料残量管理ソリューション「Milfee」で飼料輸送のDXを推進 LCトランス2023年5月16日
養鶏関連輸送業者のLCトランス(宮崎県都城市)は、YE DIGITALが提供する飼料タンク残量管理ソリューション「Milfee(ミルフィー)」を導入し、宮崎県内の契約農家など12農場で2022年9月の運用開始から、餌切れによる突発注文ゼロを実現している。
飼料タンク残量管理ソリューション「Milfee」は、農場に設置されている飼料タンクの蓋の内側に「Milfee」端末を取り付けることで、クラウド上で畜産農家、飼料メーカー、飼料輸送業者それぞれが、飼料残量を確認できるシステム。飼料残量の巡回確認不要で、突発発注の削減、飼料製造・輸送の効率化など、畜産のスマート化を実現する。
飼料配送するLCトランスのバルク車
LCトランスは、ブロイラー業界におけるリーディングカンパニーであるエビス商事(宮崎県都城市)のグループ企業として、主に家畜と家畜飼料の輸送を手がけ、「物流の2024年問題」を克服する先進的な取り組みにもつながる「養鶏事業にかかわるDX推進」を目標に掲げ、取り組んでいる。
飼料メーカー・輸送業者にとって、農家での餌切れ、突発注文などが頻発すると、メーカーは飼料を計画的に製造できず、輸送も効率よく予定が立てられないなど課題があった。LCトランスはこの課題の解決方法を模索する中、2018年にはセンサーを用いた飼料残量管理を試みたが実用化には至らず、その後も餌切れによる突発注文によって起きる、イレギュラーの輸送は5年来の課題となっていた。
「Milfee」ソリューションイメージ
こうした中、2021年9月に「Milfee」の検証機を3農場9タンクに設置。餌切れ・突発注文を「Milfee」で解決できるようになり、2022年9月の本格導入では、宮崎県内の契約農家など12農場の53タンクに設置された。
「Milfee」の導入により、計測が難しいマッシュ飼料(粉体形状)も高精度に計測が可能になり、農家が現場に行かずに端末画面で飼料残量確認と管理できるようになった。また、既存の飼料受発注システムとの連携が可能になり、これまで月に数回発生していた餌切れによる突発注文もなくなった。さらに、農家との飼料配送日の調整が可能となり、効率的な配送を実現でき配送コストも低減された。
LCトランスは、アナログ業務から脱却することで、これまで人手に頼ってきた業務をIT技術を使って省力化できれば、飼料高騰や市況に左右されない、安定した生産基盤をつくれ、将来的には売上と収益の向上につながると期待している。
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