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業界初 家畜由来のバイオメタンを工場電力と製品材料に活用2023年7月31日

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パナソニック インダストリー(大阪府門真市)とエア・ウォーター(大阪市中央区)は、環境負荷低減と地域貢献を両立する地産地消のエネルギー活用モデルを構築。家畜ふん尿から製造したバイオメタンを工場電力と製品材料に利用する取り組みは電機・デバイス業界内で初めてとなる。

業界初 家畜由来のバイオメタンを工場電力と製品材料に活用

パナソニック インダストリーで車載デバイス事業を担当するパナソニック スイッチングテクノロジーズとエア・ウォーターは、2025年度を目途に、同社の帯広工場において、エア・ウォーターが製造・供給する家畜ふん尿由来のバイオメタンの利用を開始。工場の脱炭素化と地域社会への貢献を進める合意書を締結した。

この取り組みは、地域内の未利用資源からバイオメタンというクリーンエネルギーを製造し、地域内で消費することで、バイオガスを活用したい酪農家と温室効果ガス削減に取り組む企業双方のニーズを満たす、地産地消のエネルギー活用モデル。また、環境面では、化石燃料の代替としてバイオメタンを利用することで、工場から排出されるCO2の削減につながる。

さらに、安定的にバイオメタンを製造・輸送・消費するサプライチェーンが構築されることで、社会課題となっている家畜ふん尿に起因する臭気や水質汚染などの減少にもつながると期待される。

今後、両社は2025年度の利用開始を目指し、地域社会と持続可能な社会を目指したエネルギー活用モデルの構築を推進する。

◎パナソニック インダストリーの取り組み

パナソニック インダストリーは、脱炭素化を事業成長の機会ととらえるとともに、持続可能な社会の実現に向けて2030年CO2排出量の実質ゼロ化を推進。車載デバイスの製造を行う同工場では、生産の効率化、省エネ機器の導入、断熱・廃熱利用など省エネ化を進めてきた。

今後、地域社会への貢献にもつながる取り組みとして、敷地内に発電設備(コージェネレーションシステム)を導入し、家畜ふん尿由来のバイオメタンを使用。これにより、同工場から排出されるCO2は2027年度に2022年度比で約5割以上削減される見込み。また、同工場で製造している環境対応車向けのEVリレーは製造工程で水素ガスを使用しており、供給するバイオメタンの一部から水素を製造し、CO2フリー水素を製品の一部に利用していく。

◎エア・ウォーターの取り組み

エア・ウォーターは、環境省に採択され推進する技術開発・実証事業の下、2022年10月に帯広市に液化バイオメタンの製造工場を国内で初めて稼働させた。現在、LNGトラック、LNG燃料船、ロケット等への燃料供給に向けた実証を進めると同時に、サプライチェーン構築に取り組んでいる。

こうした中、同工場へ安定的にバイオメタンを供給するため、今まで以上に家畜ふん尿由来のバイオガスの捕集先を増やし、その規模を拡大。また、酪農家に設置するガス精製ユニット内に分離膜を追設し、バイオメタンのみを吸蔵・輸送するなど、製造コストの低減を図る。自治体や酪農家をはじめとした地域社会と協力しながら、商用規模でのバイオメタンの活用モデルを構築する。

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