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牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)抵抗性に関与 マーカー遺伝子検出用リアルタイムPCRキット発売 タカラバイオ2023年11月8日

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タカラバイオは11月6日、牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)に対して抵抗性を示す体質のマーカー遺伝子 BoLA-DRB3 009:02を特異的に検出するリアルタイムPCRキット「BLV Resistant Marker Gene Detection Kit」を発売した。

左から「BLV Resistant Marker Gene Detection Kit」「BLV Resistant Marker Gene Detection Kit(with ROX Reference Dye)」「Lysis Buffer R」左から「BLV Resistant Marker Gene Detection Kit」、
「BLV Resistant Marker Gene Detection Kit(with ROX Reference Dye)」、「Lysis Buffer R」

BLVは、牛に感染することで、地方病性牛伝染性リンパ腫(EBL)と呼ばれる牛の血液ガンを引き起こすウイルス。EBLは牛の監視伝染病の中で最も発生戸数が多く、一度感染すると生涯にわたって持続感染し、治癒することはないと言われている。この感染症は近年、日本においても発生数が増加しており、畜産農家など生産現場での被害も増加傾向にある。

一方、牛の中には、このウイルスが生まれつき体内で増えやすい体質(感受性)の牛と増えにくい体質(抵抗性)の牛があり、抵抗性の牛は感染してもEBLの発症率が低く、感染源となるリスクも低いことが知られている。この抵抗性の体質は、牛MHC領域(BoLA遺伝子)の遺伝子型が関与していることが知られており、BoLA遺伝子配列を解析することによって、BLVへの感受性と抵抗性を推定できる。

しかし、遺伝子配列の解析には専用の解析装置やシーケンス解析用試薬が必要となるため、解析コストの低減や検出時間の短縮が課題の一つとなっていた。

こうした課題を解決するため、同社は、検出コストが比較的安価で、検出も短時間で行えるリアルタイムPCR法を採用したBLV抵抗性マーカー遺伝子検出キットの開発に成功。同製品は牛全血から抽出したゲノムDNAから、BLVに対する抵抗性マーカー遺伝子(BoLA-DRB3 009:02)を検出することができる。

同製品は、宮崎大学 産業動物防疫リサーチセンターとの共同研究を通じて製品化。牛のBLV抵抗性マーカー遺伝子の迅速かつ効率的な検出が可能となることから、BLV抵抗性マーカー遺伝子保有牛の疫学調査および研究に資すると期待できる。

◎製品の特長
・検出に必要な試薬(PCR酵素液、プライマー・プローブ、陽性コントロールなど)が含まれたオールインワンキット。
・リアルタイムPCR反応は約1時間以内に完了するため、短時間で抵抗性マーカー遺伝子検出結果の取得が可能。
・同時発売の前処理用試薬 「Lysis Buffer R」は、低価格かつ簡便に牛全血サンプルからのゲノムDNA抽出も実施。

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