農場で実施可能なメタン排出量推定法による資材のメタン削減効果 検証方法を明確化 農研機構2024年3月27日
農研機構と兵庫県は共同で、黒毛和種肥育牛を対象として開発した簡易な消化管内発酵由来メタン排出量推定法の精度を検証。この推定法を用いて、メタン削減を目的とした資材の効果を調べる際に必要な個体数を明確にした。これらの情報は資材によるメタン排出量削減効果を農場で検証する際の最適な試験設計の構築に活用でき、黒毛和種肥育牛からのメタン排出量削減を目的とした研究・技術開発の加速化が期待される。
メタン排出量の正確な測定設備のヘッドボックス(前方および後方から撮影)
ウシの消化管内で発生したメタンはゲップによって大気中に排出されるが、温室効果ガス削減の観点から、ウシからのメタン排出量削減技術の開発が求められている。これまで、ウシからのメタン排出量の正確な測定には、チャンバーまたはヘッドボックスといった特別な設備が必要であることがメタン排出量削減のための研究を進める上で制限要因となっていた。そのため、農研機構が代表を務めた気候変動緩和コンソーシアム(2017~2021年度)では、スニファー法により測定した呼気中メタン二酸化炭素濃度比を使った簡易なメタン排出量推定法を「ウシルーメン発酵由来メタン排出量推定マニュアル」において、メタン排出量削減に関心をもつ研究機関や飼料メーカーらを対象に提案した。
スニファー法による黒毛和種肥育牛からの呼気測定
同研究ではマニュアルで提案した、黒毛和種肥育牛を対象とするメタン排出量推定法の精度を検証。この推定法を用いて、資材給与によるメタン削減の効果を調べる際に必要な個体数を明らかにした。
これらの情報は、資材のメタン削減効果を農場で検証する際の最適な試験設計の構築に活用できる。同成果により、研究機関や飼料メーカーらによる黒毛和種肥育牛からのメタン排出量削減技術開発の加速化が期待される。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日