牧草新品種「ノースフェスト」種子を販売開始 農研機構、道総研、雪印種苗が共同開発2024年6月12日
農研機構、雪印種苗と北海道立総合研究機構(道総研)が共同で育成した牧草フェストロリウムの新品種「ノースフェスト」の種子が4月から販売開始。北海道全域で栽培に適した品種で、放牧利用において多収で、北海道における放牧酪農の普及推進および自給飼料の高品質化に貢献することが期待される。
フェストロリウム「ノースフェスト」の草型(2015年6月17日撮影、農研機構北海道農業研究センター提供)
北海道では、ペレニアルライグラスとメドウフェスクが放牧および追播に利用されている。ペレニアルライグラスは、越冬性が劣るため道東での利用が推奨されておらず、メドウフェスクは春季に家畜の嗜好性が低下する場合がある。そのため、道東で利用可能な越冬性に優れる放牧および追播利用向けの草種・品種が求められていた。
農研機構は、越冬性に優れるメドウフェスクと飼料品質に優れるペレニアルライグラスを交配し、両者の特性をあわせ持つイネ科牧草フェストロリウムの品種開発を進めてきた。さらに、雪印種苗と道総研の共同研究により、冬季の気象条件の厳しい道東地域で現地選抜を実施。その結果、道東地域での越冬性がペレニアルライグラスより優れ、また、高消化性繊維割合がメドウフェスクより高く飼料品質に優れ、放牧利用において多収で既存草地への追播でも利用できるフェストロリウム新品種「ノースフェスト」を育成した。
「ノースフェスト」は、2018年に品種登録出願を行い、2022年に品種登録された。また、2017年には「北海道農作物優良品種」に認定されている。「ノースフェスト」の種子は4月から、雪印種苗が販売を始めた。
「ノースフェスト」の普及を進めることで、北海道における放牧酪農の普及推進と自給飼料の品質向上に貢献することが期待される。
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