全農行動指針「畜産酪農サステナビリティアクション」発表 温室効果ガス排出削減やアニマルウェルフェア対応など2024年6月25日
JA全農は6月25日、持続可能な畜産酪農事業の推進に向けて、グループの生産農場を含めた全農グループが取り組む方針や目標を情報開示する「畜産酪農サステナビリティアクション」を全農のホームページ上で発行した。
全農グループは食と農の持続可能性の実現に向け、さまざな分野で温室効果ガス削減などに取り組んでいるが、畜産酪農分野には、家畜由来の温室効果ガス排出量がわが国農林水産業全体の排出量の27%を占めるといった課題や、アニマルウェルフェアなど固有の課題がある。
「畜産酪農サステナビリティアクション」では、畜産酪農分野での重要課題を特定するプロセスと現状の取り組み事例、今後の取り組み方向などを掲載し関係者とともに、課題解決することを目的に、毎年発行している『全農リポート』を補完する情報として発行した。
同誌では畜産酪農分野の重要課題として「気候変動対策」、「資源循環・耕畜連携」、「アニマルウェルフェア」の3つを特定した。
気候変動対策では脱炭素に向けて「測る」「減らす」「知ってもらう」というアプローチで取り組む。
このうち「測る」取り組みとして全農の畜産酪農分野の子会社や183の生産農場などを合わせた温室効果ガス排出量を算定したところ、CО2換算で約33万tとなった。
全農グループ生産農場では肉用牛・乳用牛約3万頭、肉用豚約23万頭、採卵鶏・ブロイラー約1500万羽(ブロイラーは全農チキンフーズグループの433農場で飼養)を飼養しており、これをもとに家畜由来の温室効果ガス排出量を算定するとCО2換算で約13万tとなった。こうした算定結果を出したのは初めて。
同時に現状での「減らす」取り組みとして全農チキンフーズの長距離輸送でのモーダルシフトなどを紹介、今後の取り組みとしてさまざまな取り組みの排出量削減効果の検証と、削減目標の検討、「知ってもらう」取り組みとして情報公開などを進める方向などを掲載している。
「資源循環・耕畜連携」では現状の取り組みとして宮城県の稲わらと鹿児島県の畜糞堆肥の広域流通をレポートしているほか、今後は資源循環や耕畜連携によってめざす姿の設定や、そのための手段や地域資源など利用量の設定などを検討していく。
「アニマルウェルフェア」については、5月に「全農グループ アニマルウェルフェアポリシー」を制定し、それを同誌に掲載した。産業動物のアニマルウェルフェアの向上は、畜産酪農業の健全な発展のために必要不可欠で、全農としての基本的な対応方針として制定した。
特徴はアニマルウェルフェアの向上と同時に家畜飼養に携わる従業者の労働安全衛生も両立させるよう双方の改善に取り組むこと。県本部や子会社の農場でモデルづくりに向けた実証を行い、今後、水平展開を図るほか、アニマルウェルフェア向上を目的とした検討会を定期的に開催していく方針を掲げている。
重要な記事
最新の記事
-
新春特別講演会 伊那食品工業最高顧問 塚越寛氏 社員の幸せを追求する「年輪経営」2025年2月5日
-
新春の集い 農業・農政から国のあり方まで活発な議論交わす 農協協会2025年2月5日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】通商政策を武器化したトランプ大統領2025年2月5日
-
「2024年の農林水産物・食品の輸出実績」輸出額は初めて1.5兆円を超え 農水省2025年2月5日
-
農林中金が短期プライムレートを引き上げ2025年2月5日
-
トラクターデモにエールを送る【小松泰信・地方の眼力】2025年2月5日
-
時短・節約、家計にやさしい「栃木の無洗米」料理教室開催 JA全農とちぎ2025年2月5日
-
規格外の丹波黒大豆枝豆使い 学校給食にコロッケ提供 JA兵庫六甲2025年2月5日
-
サプライチェーン構築で農畜水産物を高付加価値化「ukka」へ出資 アグリビジネス投資育成2025年2月5日
-
「Gomez IRサイトランキング2024」銀賞を受賞 日本化薬2025年2月5日
-
NISA対象「おおぶね」シリーズ 純資産総額が1000億円を突破 農林中金バリューインベストメンツ2025年2月5日
-
ベトナムにおけるアイガモロボ実証を加速へ JICA「中小企業・SDGsビジネス支援事業」に採択 NEWGREEN2025年2月5日
-
鳥インフル 米オハイオ州など5州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年2月5日
-
鳥インフル ベルギーからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年2月5日
-
JA全農と共同取組 群馬県産こんにゃく原料100%使用 2商品を発売 ファミリーマート2025年2月5日
-
「食べチョクいちごグランプリ2025」総合大賞はコードファーム175「ほしうらら」2025年2月5日
-
新潟アルビレックスBC ユニフォームスポンサーで契約更新 コメリ2025年2月5日
-
農業分野「ソーシャルファームセミナー&交流会」開催 東京都2025年2月5日
-
長野県産フルーツトマト「さやまる」販売開始 日本郵便2025年2月5日
-
佐賀「いちごさん」表参道カフェなどとコラボ「いちごさんどう2025 」開催中2025年2月5日