都市型畜産の豚舎における臭気対策 横浜市で検証開始 NTT東日本2024年8月2日
NTT東日本 神奈川事業部は、嘉創株式会社が提供する豚舎環境の温湿度・アンモニア臭気濃度等をモニタリングするシステム「AIOTICA」を活用し、周辺住民への臭気対策とともに豚舎内の環境対応の最適化をめざす検証を有限会社横山養豚(横浜市泉区)で6月1日から実施している。
農林水産省生産局畜産部畜産振興課が公表した資料によると、2020年の畜産経営に起因する苦情発生戸数(1386戸)の内容として、悪臭関連が52.2%と最も多かった。苦情発生戸数および苦情発生率でも養豚が高い傾向にあり、豚舎と近隣民家が比較的近い距離にある「都市型畜産」においては、重要な事業課題となっている。
役割分担・検証環境イメージ図
NTT東日本 神奈川事業部では、2019年から神奈川県養豚協会、神奈川県畜産技術センターと「飼養環境の見える化」(温湿度データや豚の衛生環境等監視)実証実験を皮切りに、「センサーを用いた適切なCO2濃度を維持・管理方法の見極め」「AIカメラを活用した体重・体格・肉質の計測および推定算出、飼育状況のデータ活用などのシステム化」「プラチナバンドのIoT向けWi-Fi 「IEEE 802.11ah」を活用した無線環境構築」「『咳音検知技術/ SoundTalks® 』を活用した飼養豚の体調管理」など、スマート畜産に関する実証実験を実施してきた。
設置機器
このほど、都市型畜産の重要な事業課題解決に貢献するため、これまでの取り組みで連携実績のある株式会社フルノシステムズの協力を得ながら、横山養豚をフィールドとして実証実験を実施。豚舎内の温湿度・アンモニア臭気濃度等をモニタリングする嘉創株式会社のシステム「AIOTICA」を活用した環境対策(温湿度、アンモニア計測モニタリング)について検証している。
実証実験について横山養豚の横山清社長は「横山養豚は臭気対策として県内でも数少ないオゾン噴霧装置をすでに導入しているが、今回の取り組みを通して、豚舎内の環境を見える化・数値化をすることにより、今までの臭気対策の検証とともに、より良い都市との共存を目指していきたい」とコメントしている。
豚舎内気流シュミレーション図
◎検証概要
期間:6月1日~11月30日(予定)
場所:横浜市泉区和泉町5049
検証項目:温湿度、アンモニア臭気濃度、風向・風速、豚の体格・体温
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