人事2024 左バナー 
JA全農人事情報
左カラム_病害虫情報2021
新聞購読申込 230901
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_花づくり_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
240401・ニッソーグリーン マスタピース水和剤SP
日本曹達 231012 PC
FMCプレバソンSP

中堅酪農家も続々廃業 『働き盛り』の離農が示す深刻な現実【中酪 2023年度酪農経営実態調査】2024年8月20日

一覧へ

生乳需給緩和など酪農「有事」が続く中で、中央酪農会議は2023年度酪農経営廃業者調査、いわゆる離農実態調査をまとめた。年間で酪農経営中止は830戸と離農が高止まり、生産基盤の弱体化に歯止めがかからない。特徴は、中止農家の平均年齢が北海道58・3歳、九州61・3歳と〈中堅層〉の離脱も目立つ。先行き不安が要因の一つとみられる。

生産抑制下、年度区切りで離農

調査は2023年度酪農全国基礎調査とあわせ、酪農経営の廃業が急速に進む中で実態を明らかにするため実施した。指定生乳生産者団体の受託農家が1万戸の大台割れと見られる中で、離農実態を精査・分析することは、今後の酪農振興にとって重要な意味合いを持つ。

留意すべきは、同時期がコロナ禍の生乳需要減退から脱脂粉乳の過剰解消に伴う生乳生産抑制と重なっていることだろう。つまりは、飲用乳価などの引き上げがあったものの生産資材高騰も加わり酪農家の先行き不安、将来見通しが見えにくい事態が一挙に強まった時期だ。

22年4月から23年3月に生乳出荷を中止した酪農家を対象に、「酪農経営(生乳出荷)中止の時期」「酪農経営主の年齢」「酪農後継者の有無」「酪農経営の規模」「酪農経営要素の処分方法」などで実態調査を行った。調査結果では、22年度に酪農経営を中止した戸数は全国で830戸に達した。内訳は北海道249戸、都府県581戸。受託戸数約1万戸と見れば、離農率の高止まりが浮き彫りとなっている。

中止戸数を月別に見ると23年3月が119戸(全体の14・3%)と最も多く、22年4月106戸(同12・8%)、同11月89戸(同10・7%)、同12月88戸(同10・6%)と続く。年度最初や年度末、年末など区切りの良い時期に、酪農離脱の重大な経営判断をしていることが分かる。

北海道60代以下が9割近く

一般に農業経営中止の理由は高齢化と後継者不足が大きい。日本農業の経営者平均年齢は間もなく70歳を超す。半面、酪農は若い経営者が多いのが特徴で、それが他作目に比べ活力の要因ともなっている。では離脱酪農経営主の年齢はどうなっているのか。今回の調査で明らかになったのは、「働き盛り」の年齢で廃業しているというショッキングな実態だ。よく関係者から「近所のまだ若い年齢の酪農家が廃業した」「後継者もいる飼養頭数の大きな酪農がやめた」などの声が聞こえてくる。それを裏付ける結果とも言える。

酪農経営中止の経営主の平均年齢は北海道が58・3歳と最も若く、九州61・3歳と続く。関東も65・1歳で、これら酪農主産地の担い手がいわば「働き盛り」で酪農に見切りをつけている。特に全国の生乳生産の約6割を占める北海道は50代以下が42・6%、60代以下だと9割近い。

一般的な高齢化を理由とした経営中止と異なる姿となった。北海道で今後を担う経営者が相次ぎ離脱する実態は、今後の酪農生産基盤に深刻な打撃を与えかねない。北海道は2024年度から減産計画を転換したが、調査時点の生産抑制政策が、先行き不安を募らせたとも見られる。

◇経営中止酪農家の平均年齢(歳)
・北海道58・3
・東北 64・6
・関東 65・1
・北陸 69・9
・東海 64・0
・近畿 68・1
・中国 63・4
・四国 64・2
・九州 61・3
・沖縄 62・7

後継者いても酪農経営離脱

後継者がいても酪農経営中止した割合は、北海道が9・2%,都府県12・4%、全国で11.4%あった。後継者がいるにもかかわらず酪農離脱の実態が全国平均で1割以上いることも、将来展望を描けず子どもに経営を継がせることができない「先行き不安」の表れとも言える。

離脱酪農家を経営規模別で見ると、北海道では40頭以上層が全体の8割を占め100頭以上層でも6・0%いた。

経営継承が最大課題

経営中止時の処分は経営要素別と地域別に特徴が出た。特に問題は「放置」が一定の割合を占めている点だ。酪農中止後に周辺酪農家への経営継承や施設、機材の移譲をどう円滑に進め、生産基盤を守っていくのかが改めて喫緊の課題として浮上した。

農地は、北海道が「売却」37・3%と所有者が「自ら使用」(32・5%)と拮抗しており、都府県では「自ら使用」が半数以上を占めた。農地を「自ら使用」は酪農以外の作目転換などと考えられる。北海道でも夏も冷涼な根釧とは異なり、比較的天候が温暖で酪農以外に畑作生産が盛んな十勝などでは可能だ。

施設用地は、北海道では所有者が「自ら使用」(46・2%)と最も多い半面、使用しないで「放置」も32・5%を占めた。都府県では「自ら使用」43・9%と使用しないで「放置」42・0%が拮抗している。牛舎など酪農施設は北海道、都府県ともに使用しないで「放置」が半数以上を占めた。酪農機械は、北海道は「売却」が半数以上、都府県では使用しないで「放置」が40・3%と最も多く「売却」30・5%と続いている。これら調査結果は「放置」をどう解消していくかを問題提起している。

重要な記事

240918・シンジェンタライブラリー:右上長方形SP

最新の記事

DiSC:SP

みどり戦略

Z-GIS 右正方形2 SP 230630

注目のテーマ

注目のテーマ

JA共済連:SP

JA人事

JAバンク:SP

注目のタグ

topへ戻る