全国の酪農つなぐ双方向ネット 乳業初明治が経営改善サイト サステナブル酪農を後押し2024年9月2日
乳業最大手・明治は29日、9月から全国の酪農家をつなぐ双方向ウェブサイト「MDA(メイジ・デイリー・アドバイザリー)コミュニティ」を開設すると発表した。生産基盤維持へ持続可能な酪農の経営改善を応援、酪農家同士の悩み相談の双方向ネットだ。誰でも登録でき、当面、年間100ユーザーを目指す。
乳業初明治が経営改善サイト MDAコミュニティ
明治はこれまで酪農家同士のネットワーク組織であるMDAを2018年からつくり、経営改善支援を続けてきた。今回、MDAの仕組みをより革新し、広範に全国の酪農家同士が自由闊達に生産現場の悩み相談、解決策を探る双方向ネット「MDAコミュニティ」を開設した。
酪農家の離農加速化で生産基盤維持が大きな課題となっている。川村和夫明治HD社長はかねてから「酪農乳業運命共同体論」を強調し、酪農家と乳業が一体となって発展していく方向を強調してきた。今回のサイト開発プロジェクトには同社酪農部を中心に約20人の関係者が携わった。木島俊行常務は「生産者と乳業が二人三脚で酪農乳業の未来を切り開いていきたい。そのためには、生産の現場に入り酪農家と一緒になって持続可能な環境をつくっていきたい」としている。
同社が注目したのは、酪農家の大規模化に伴って雇用問題や大型化による経営問題など家族経営とは異なる課題解決手法だ。大手自動車メーカーなどで効果を上げる効率化を実現する生産管理手法「カイゼン」を参考にした。雇用労働で農場スタッフの成長を目指す「日常カイゼン」、経営者やリーダー、後継者の成長を促す「目標設定カイゼン」、組織の成長を進める「仕組みカイゼン」の三つの「カイゼン」を組み合わせ、酪農現場の課題解決を支援していく。
乳業初明治が経営改善サイト QRコード
「MDAコミュニティ」の大きな特徴はサイトのメニューの一つ「カタリバ!」という全国の酪農家同士が意見交換できる機能。まさに全国酪農家の「語り場」を目指す。
「カタリバ」は経営者、農場スタッフ別々にそれぞれの悩みや課題解決のヒントを、パソコンやスマートフォンなどで手軽に相互に意見交換できる。これまでは年1回の「MDAミーティング」というオンライン会議に限られていた。サステナブル酪農経営を応援するため、これまでも「MDAミーティング」では農水省の進める「みどり戦略」に沿った動物福祉を重視のアニマルウェルフェアの現状などをテーマにしたこともある。
今後、「カタリバ」では環境重視の飼い方、飼料など脱炭素酪農への意見交換も期待される。
「MDAコミュニティ」は無料だが会員登録が必要。メールアドレス、パスワード、農場名などをQRコードから入って入力する。多くの人が自由投稿、書き込みができる半面、投稿内容を巡って課題も多いSNSの手法は取らない。
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