バターの組織構造を維持したまま直接観察 世界で初めて確認 雪印メグミルク2024年9月17日
雪印メグミルクは、9月6日に開かれた「酪農科学シンポジウム2024」(日本酪農科学会主催)で、原子間力顕微鏡(AFM)を用いてバターの物性に関わる組織の微細構造を維持したまま直接観察できる世界初の観察方法について発表。今後、バターの品質の安定化や風味や機能性のさらなる向上、製菓・製パン用途を始め、調理方法や用途に適した商品の開発に役立てることが期待される。
風味豊かな原料素材として、幅広く食品業界で使われるバターは、各用途に応じた製品の品質や物性が求められている。そのため、バターの品質を決定する要因の一つである組織(固体脂ネットワーク)の分析が望まれていたが、これまでの観察方法では、組織を破壊する溶媒抽出や、バターを液状にして脂肪を除去する処理が必要で、直接バターの組織を分析できなかった。
今回開発したAFMによる直接観察方法と、従来技術の観察方法(Cryo-TEM法、X線回折法)を比較した結果、バターを構成する油脂結晶の形状がほぼ同等であることを確認。バター中の乳脂肪の微細結晶が凝集した構造を維持したまま、直接観察が可能であることが示された。
雪印メグミルク ミルクサイエンス研究所による発表
今後、開発した観察方法を活用し、組織の状態を確認することにより、バターの口どけや、硬さ、軟らかさなどを制御する技術を見出し、用途や調理方法に合わせた商品の開発が期待される。
雪印メグミルクは、これまで培ってきた知見や技術と新規手法を融合し、よりおいしく利便性の高いバターを提供することで、乳(ミルク)の価値を高め、酪農生産へ貢献することを目指している。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日