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誤操作リスク減らし高病原性鳥インフルエンザを迅速に判定 遺伝子検査法を開発2024年10月7日

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農研機構とタカラバイオは、高病原性鳥インフルエンザウイルスの遺伝子検査について、新たなマルチプレックスリアルタイムRT‐PCR法を開発した。この検査法は、現在使用されている遺伝子検査法に比べ、検査者の操作を半減し、誤操作のリスクを減らすことが可能で、判定に要する時間を大幅に短縮できる。同検査法に対応した検査試薬(研究用)は10月4日、タカラバイオから発売された。

高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)は、鶏に対する高い致死性と強い伝播性から家畜伝染病に指定されており、2022年シーズンには過去最多となる84事例の発生が確認された。日本では家きん飼養農場におけるHPAIの発生をいち早く発見。当該農場で飼養する家きんの殺処分により、近隣農場への感染拡大や同病のまん延を防止する防疫措置が取られており、同病の判定に資する検査を正確かつ迅速に実施することが重要となる。

鳥インフルエンザの原因となるA型インフルエンザウイルスは、表面の2つの糖タンパク質の種類で亜型4に分類され、HPAIの原因ウイルスはその糖タンパク質の1つであるヘマグルチニン(HA)の種類がH5またはH7亜型とされている。現在、HA亜型の判定には遺伝子検査が用いられており、検査の正確性や迅速性が求められる一方、多数の検体を扱う場合には手技の煩雑化や検査結果の判明までに時間を要するなど検査者の負担が大きくなっている。

農研機構とタカラバイオは、現在使われているリアルタイムRTP‐CR法より迅速かつ省力的な遺伝子検査を可能にするマルチプレックスリアルタイムRTP‐CR法を開発した。

図1:新しく開発した遺伝子検査法(下段)と従来法(上段)の違い図1:新しく開発した遺伝子検査法(下段)と従来法(上段)の違い

これまでは、検査対象の遺伝子ごとに4種類の試薬を使って2枚のプレートで反応させていたが、この遺伝子検査法では、1種類の試薬で複数の遺伝子を識別して検出できることから、2種類の試薬を使って1枚のプレート上で検査が可能。新しい検査法では検査者の操作が半減することから、誤操作のリスクを減らすとともに判定に要する時間を最大約150分短縮でき、より迅速な亜型の判定が可能となる(図1)。

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