家畜排せつ物の新たな活用へ 千代田組などと業務提携 デザミス2024年11月6日
デザミス株式会社は、持続可能な畜産経営の実現を目指す取り組みの一環として、社会インフラ及び各種産業に強みを持つ商社である株式会社千代田組と、有機物減容セラミック製造装置(以下:ERCM)および有機物促進酸化分解装置(以下:OHD)の販売元である有限会社サステナックスの3社で業務提携を行ったと発表した。提携に伴い、家畜排せつ物から新しい資源を生み出すためのERCMおよびOHDを活用した実証実験を業界で初めて行う予定。
デザミス×千代田組×サステナックス
牛の排せつ物は、貴重なバイオマスとして活用されており、代表的な活用方法に農業用の堆肥化がある。だが、堆肥として利活用されるまでには、おが粉などの副資材と混合、撹拌、乾燥と相応の手間がかかる。また、畜産農家では日々家畜排せつ物が発生する一方で、耕種農家での堆肥利用は春季及び秋季に集中しており、需要からあふれた堆肥化できない排せつ物の新たな活用方法を模索している畜産農家が多く存在するなど利活用には課題が残る。
そこで、畜産のデザミスと、ERCM・OHDの運用・保守等を担当する千代田組、販売元のサステナックスの3社で業務提携を実施。畜産農家が抱える問題の解決へ向けて3社での実証実験を今年度から行う。
サステナックス社の有機物減容セラミック製造装置(ERCM)
実証実験に用いるERCM・OHDは、非常に強い酸化力を有するOHラジカルを活用し、あらゆる有機物を酸化分解してセラミック系粉末を製造する、省エネルギー・省資源・低コストを実現した次世代型新技術を用いた装置。様々な有機物の処理に利用できるため、生ごみや廃プラ類の処理など、多様な分野での活用が進んでいる。
ERCM・OHDによる家畜排せつ物処理が可能になれば、堆肥化と並ぶ排せつ物の有効活用の新たな選択肢となる。具体的には、ERCM・OHDに投入した排せつ物の体積を1/100~1/500に減容することで、排せつ物の後処理や堆肥化に伴う経営コストを圧縮し排せつ物の減容を行う。 減容された有機物はセラミック系粉末となり、リン・カリウム等の副産物を抽出し収益化を狙う。 また、焼却処理等と比較し、酸化分解の過程で発生するCO2等の温室効果ガスを大幅に削減することが期待できる。
同社は、業務提携により牧場への導入およびフォロー体制を確立し、牧場での実用化を目指すだけではなく、国内の牛にとどまらず豚・鶏などの他畜種及び海外の生産者に対しても展開することにより、家畜排せつ物に伴うあらゆる課題を解決し、畜産業の持続可能な基盤整備に貢献していくとしている。
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