国内初 牛のランピースキン病 福岡県で発生2024年11月8日
農林水産省は11月6日に福岡県の乳用牛飼養農場で国内で初めてのランピースキン病の発生が確認されたと発表し、7日に都道府県の家畜衛生担当者に防疫対策の徹底を通知した。
ランピースキン病は牛の皮膚に結節や水腫が見られたり、発熱や鼻汁、泌乳量の低下などさまざまな症状が現れる。
ポックスウイルスが原因で蚊やサシバエ、マダニなどベクターによって牛に伝播する。
死亡する例は少ないが、有効な治療はなく回復までに3か月以上かかる場合がある。その間、肉牛の販売や生乳の出荷などはできない。同居牛の搾乳と出荷はできるが、感染牛はしっかり隔離して管理しなければならない。
農林水産省は疑わしい症状がある場合は、当該牛を速やかに群から隔離して管理し、獣医師や家畜保健衛生所に連絡するよう通知している。
また、感染した牛の移動によって感染が拡大するおそれがあるため、出荷等の際には健康状態を確認するよう求めているほか、蚊やサシバエなどから感染するため農場の害虫駆除も行う必要がある。
ただ、農水省によると海外では不顕性感染牛も確認されており、症状がなくても移動による感染拡大の要因となり得る。
そのほか、ウイルスが付着した飼養器具も感染原因となり得ることから、付着の可能性のある器具は持ち込まないほか、血液を介して感染が成立することもあるため注射針や人工授精用器具は1頭ごとに確実に交換、または消毒する。
ランピースキン病はアフリカで発生していたが、2010年代に中東、トルコ、南ヨーロッパでも発生し、2019年以降は、アジアで発生が拡大し、23年には韓国で発生、11月1日時点で17件が確認されている。
農水省はウイルスを運ぶ蚊などのベクターが台風や偏西風に乗って日本に飛来し、感染が発生したことも考えられるという。
有効なワクチンはあり、今年度から20万ドーズを備蓄している。発生時に資材と備蓄ワクチンを無償配布することにしているが、現在、福岡県は感染牛を隔離して管理、状況を見極めるという。
同病は家畜伝染病予防法では届出伝染病と規定されている。高病原性鳥インフルエンザや口蹄疫のような国による殺処分などの措置の対象ではない。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】ネギハモグリバエ・ネギアザミウマ 県下全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月30日
-
24年産米2.6万円に 有利販売に努め積み上げ JA茨城、異例の公表2025年6月30日
-
梅雨の晴れ間の「DZ作戦」で、猛暑下の畦畔除草を回避しましょう 北興化学工業2025年6月30日
-
水稲は"白未熟粒"に加えて"不稔"にも警戒 果樹は長期的な樹種転換も検討 農研機構2025年6月30日
-
茨城県厚生連の赤字19億円超 「診療報酬の引き上げ必要」 24年度決算2025年6月30日
-
全国の「関係人口」 約2263万人 国土交通省調査2025年6月30日
-
夏休みの思い出づくりに「こども霞が関見学デー」開催 農水省2025年6月30日
-
随意契約米 全国4万6000店舗で販売2025年6月30日
-
7月の野菜生育状況と価格見通し はくさい、キャベツ、レタス、ばれいしょ価格 平年下回る見込み 農水省2025年6月30日
-
再保証残高 過去最高の6兆9000億円台 全国農協保証センター2025年6月30日
-
【JA人事】JAみい(福岡県)平田浩則組合長を再任(6月27日)2025年6月30日
-
【JA人事】JAにしうわ(愛媛県) 新会長に井田敏勝氏2025年6月30日
-
【今川直人・農協の核心】全中再興(1)2025年6月30日
-
元卓球日本代表・石川佳純が全国を巡る卓球教室 岩手で開催 JA全農2025年6月30日
-
【役員人事】JA全農青果センター(6月26日付)2025年6月30日
-
第42回「JA共済マルシェ」を開催 令和6年能登半島地震・奥能登豪雨の復興応援 JA共済連2025年6月30日
-
福岡のいちじくレビュー投稿キャンペーン「博多うまかショップ」で実施中 JAタウン2025年6月30日
-
農福連携の現場に密着 YouTube番組「根本凪ノウフク連携中」配信 JAタウン2025年6月30日
-
【役員人事】農林中金総合研究所(6月27日付)2025年6月30日
-
クボタと酪農学園大学が包括連携協定 学術振興と地域活性化へ共創加速2025年6月30日