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AIを利用した新しい水質センサ開発 畜産排水処理の省力化・浄化性能を向上 農研機構2024年12月11日

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農研機構は、AIによる画像認識を利用した新しいセンサ「AI凝集センサ」を開発した。畜産の排水処理では薬剤(凝集剤)を使って排水を凝集させて、固形分と液分に分離する重要なプロセスがある。同センサは、世界で初めて凝集の程度を測定できるもので、固液分離プロセスを自動制御できるようになり、排水処理施設における保守管理作業の省力化と浄化性能の向上に役立つ。

図:排水処理フローにおけるAI凝集センサの概要

図:排水処理フローにおけるAI凝集センサの概要

畜産農家は、畜舎からの排水を法令に準じて処理する必要がある。固液分離は排水処理において重要なプロセスで、分離度は浄化性能に大きく影響する(図)。

十分な分離度を得るには、凝集の程度(=凝集度)を見ながら、添加する凝集剤の量を適正に調節する必要があるが、凝集度を測定する既存のセンサはない。また、排水の濃度変動に対応できないため、固液分離プロセスを自動で制御することは難しい。農家は日々凝集状態を目視で確認して凝集剤の添加量を調整するため作業の負担が大きく、自動制御への要望が多かった。

農研機構が開発した新しい凝集センサは、AIに適正な凝集画像と凝集剤が不足または過剰の画像を学習させることで、AIが人と同様のレベルで排水の凝集度を認識できるようになった。さらに、開発したAI凝集センサを使って凝集度を自動制御する実験に成功。同センサにより排水の濃度変化に対応できる固液分離プロセスの自動化が初めて実現が可能になる。

さらに、固液分離プロセスの自動制御により、凝集槽の見回り回数の削減や凝集不良に伴うトラブルの回避など、保守管理作業を省力化。凝集剤の添加量が適正化されるため、排水処理施設の浄化性能が向上し、添加過剰の施設では凝集剤コストの低減につながる。

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