乳用牛のエネルギーバランス 乳生産記録から簡易に推定する式を開発 農研機構2024年12月18日
農研機構と北海道立総合研究機構は共同で、日本のホルスタイン種泌乳牛のエネルギーバランスを簡易に推定する式を開発。また、算出した推定値から、エネルギーバランスは遺伝的な改良が可能で、エネルギーバランスと繁殖性には遺伝的関連があることを明らかにした。
ホルスタイン種牛は乳量が多いことで知られるが、乳生産には非常に多くのエネルギーを必要とする。1日当たりの乳量は分娩後から2~3か月後(泌乳前期)にかけて一気に増加するが、食べる量は急には増えないため、餌からのエネルギー供給が必要量に追いつかず、エネルギーバランスが負に傾いてしまう。
こうした負のエネルギーバランスは乳用牛の健康に悪い影響を与え、ケトーシスなどの周産期病のリスクを高めるとともに、繁殖性の低下にも繋がるとされるが、酪農現場でのエネルギーバランスの測定は個体ごとの採食量を把握する必要があるなど、手間がかかるため難しい。
同研究では日常的に収集されている乳用牛群検定記録を用いて、個体のエネルギーバランスを推定する式を開発。また、この式から算出したエネルギーバランス推定値を用いて遺伝的な能力推定を可能にした。
推定されたエネルギーバランスは初産の泌乳前期には親からの遺伝の程度を示す遺伝率が十分大きく、遺伝的な改良が可能。さらに、遺伝的に泌乳前期のエネルギーバランスが悪い牛は繁殖性が低い牛であることが明らかになり、泌乳前期のエネルギーバランスを遺伝的に改良することで、繁殖性の向上が期待できることがわかった。
同成果により、エネルギーバランスが良い個体の選抜や交配による遺伝的な改良の推進が期待される。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日