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細胞寿命を半永久化した馴化培地を開発 ウシ体外受精卵の品質向上に成功 農研機構2025年1月14日

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農研機構は、高品質なウシ体外受精卵の作出に適した馴化培地を安定生産できるシステムを開発した。体外受精卵の品質向上による受胎率の向上につながる技術として期待される。

図1:開発したシステム図1:開発したシステム

酪農や肉牛生産の現場では、体外受精の技術で生産した受精卵の移植が活用されており、国内における移植頭数は年間数万頭にのぼり年々増えているが、体外受精卵による受胎率は30年以上40%程度に留まっている。体外受精卵による受胎率向上が長年の技術的課題とされ、体外受精卵を母胎内での受精環境に近い環境で培養することが有効な対策の一つと考えられている。

その方法として、受精の場である卵管から採取した卵管上皮細胞を増殖させて作製した培地(馴化培地)を利用することが試みられてきたが、培養した卵管上皮細胞の寿命が短いため、培地を安定生産することが根本的な課題だった。

農研機構は、細胞の寿命を半永久化した不死化ウシ卵管上皮細胞(不死化細胞)株を樹立し、この細胞株を使った馴化培地を持続的に生産するシステムを開発するとともに、作製した馴化培地に体外受精卵の品質を向上させる効果があることを確認した。

受精卵の品質の判定には、既存の報告で最も有効と考えられる受精後2日間の正常な発生様態に基づく「四指標」を採用し、不死化細胞による馴化培地によって四指標を満たす受精卵の割合が増加すること、さらに馴化培地中に含まれる物質のうち、超遠心分離したときに沈降する物質を他の培地へ添加しても四指標の達成を促進する効果があることを明らかにした。この沈降物は培地添加物として受精卵生産の現場でも利用しやすいと考えられる。

同成果である馴化培地の安定生産システムの実用化により、ウシ体外受精卵の品質向上による受胎率の向上が期待される。

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