AIで牛の乳量予測 広島県、広島大と畜産データプラットフォーム構築へ BIPROGY2025年3月3日
広島県、広島大学、BIPROGYの3者は、牛舎内に設置した機器やロボットなどのデータを集約して一元化することで、効率よく効果的な牛舎の環境維持管理を可能にする畜産データプラットフォームを構築。4月から牛の乳量を予測するAIモデル分析を始める。
「畜産データプラットフォーム」概要
牛は繊細な生き物で、気温や湿度、飼料などのさまざまな外的要因でストレスを受けて、乳牛の乳量や乳脂肪率が低下するため、牛舎の環境維持管理がとても重要。さまざまな機器やロボットも活用されているが、個別に管理されているためにそれぞれの調節が必要で、酪農家の負担となっている。
同事業では、これまで牛舎内で個別に管理していた機器やロボットなどからデータを集約して一元化し、畜産データプラットフォームを構築。プラットフォーム上で一元管理することでさまざまな分析や各システムの制御ができるようになり、効率よく効果的な牛舎の環境維持管理を実現する。
酪農家は、AIを活用したアプリにより乳量や乳脂肪率の予測を確認し、乳牛のストレス緩和のために牛舎環境制御やサプリメント投与など対策が可能。加えて、現在開発中のLiDAR(レーザー光測定センサー)による3D画像データ技術により、タブレットを活用した非接触での牛の体尺と体重推計が可能になる。
同事業は、日本の酪農産業を守るため、広島大学生物生産学部附属農場(2025年4月から広島大学酪農エコシステム技術開発センター)が中心となり研究分析を進めている酪農経営改善のための施策。広島県の「ひろしまseedbox」(ひろしま型スマート農業推進事業)に採択されている。BIPROGYが提供する空間認識プラットフォームサービス「BRaVS Platform(ブラーブス プラットフォーム)」を基盤として、環境を構築する。
同事業は、広島県内の酪農場「有限会社トムミルクファーム」を実証フィールドとして乳量予測モデルの技術検証を実施。広島県、広島大学、BIPROGYは、4月から乳量予測モデルの技術検証を始め、広島県内で2026年度内の実用化を目指す。また、3者は同事業の成果をもとに、農林水産省と連携して畜産データプラットフォームを全国展開を予定。
◎対象となる機器およびデータ
機器、ロボット:個体行動センサー、送風機、ミスト噴射機、エサ寄せロボット、搾乳ロボット、掃除ロボット、など
データ:牛センサーからの行動時間分析、牛の体重/体尺推移、実乳量、飼料摂取量、採食時間、飲水回数、搾乳回数、乳質、発情(ホルモン)、相対湿度、送風ファン回数、など
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