東京産のオリーブオイル誕生!都市農業の魅力を発信 三鷹市の「天神山須藤園」2024年1月9日
東京でオリーブオイルが誕生した。三鷹市の須藤金一さん(45)の「天神山オリーブオイル」で、3年前に110本のオリーブの苗を植え、昨年、搾汁し、商品化にこぎつけた。須藤さんが自ら厳選したスペインの品種で、フルーティーな香りが好評で、10年後には1本から10キロ収穫し、年間100キロのオリーブオイル生産を目指す。
オリーブ園で「天神山オリーブオイル」をアピールする須藤さん
須藤さんは植木農家の後継ぎで、26歳の時、銀行勤めから転身した。「東京でも魅力ある農業ができることを子どもたちに見てほしい」との思いでチャレンジした。また、三鷹市は東京23区に接し、ほとんどが市街地となっているなかで、都市農業の可能性を示したいとの気持ちがある。
その一つがオリーブ栽培で、瀬戸内のオリーブ園をみて、東京でもできるのではないかと考えたのがきっかけ。2020(令和2)年、110本のオリーブを植えた。品種は、オリーブオイルソムリエの資格を持つ須藤さんが、自ら食しておいしいと思う品種で、スペインの代表的な「アルベキ―ナ」「ピクアル」を選んだ。
オリーブは収穫した時点から酸化が進むため、オリーブ園に隣接する屋敷の敷地内に加工場を設けた。一昨年は搾油に失敗したが、昨年は約100キロのオリーブを収穫して5キロのエキストラバージンオイル(酸度0.8%以下で絞っただけで精製していないオイル)を抽出した。
酸化を最小にするため、収穫から6時間以内に搾油したオイルは酸度0.2%で、フルーティな香りがあり、脂っぽさがなく、鮮度の高さ、爽やかさで出荷先のデパートや三鷹緑化センター(直売所)などで好評だった。
10年後には1本から10キロ収穫し、トータル1tのオリーブを収穫、年間100キロのオイル生産をめざす。
「都市農業の多面的な機能をオリーブを通じて発揮し、多くの消費者のみなさん、シェフの方々に実際に農園に足を運んでいただき、オリーブを通して農と人と食が繋がることができたら最高です」と、須藤さんは都市農業に夢をつなぐ。
【あわせて読みたい記事】
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