JA全国女性協・久保町子会長に聞く(1)食と農の大切さ自明 女性の観点もっと2024年1月30日
JA全国女性組織協議会は1月17、18の両日、第69回JA全国女性大会を開いた。大会を機に久保町子会長に思いを聞いた。
「同じ思い」知り 活動を盛り上げ
JA全国女性協会長 久保町子氏
――会長ご自身のこれまでの歩みからお聞かせいただけますか。
経営は花をハウス3棟と露地で1000平方m栽培しています。ハウスでカーネーションとスターチスを育てていましたが、会長に就任してからはカーネーションの栽培を見合わせています。というのも出荷の時期には毎日切って出荷する必要があるからで、今はスターチスだけです。そのほか露地ではシャクヤクやコスモスなどを栽培しています。
21年前に主人が亡くなって一人になってから農業を本格的に始めました。当時、田んぼはありましたが、どうしたらいいか考えていたとき、農業委員さんがJAの営農指導員を紹介してくれて、今JAでは新規に花栽培を推進しているということでした。しばらくは家に閉じこもっていたのですが、それでヒマワリとコスモスの栽培から始めたんです。
最近、もし主人が生きていたら今このような女性協の会長はもちろん、この組織にもいなかったかも知れないと思っています。一人になったことでJAと関わりを持ちました。もちろんJAの存在は知っていましたが、実は女性部のことは知りませんでした。
友達に感謝
お百姓をするようになったときに、女性部に入った友達から「入らない?」と誘ってもらったことがきっかけです。ですから、本当にありがたいと思っています。
それから同じ地域の女性部員とたくさん知り合いになったし、さらに活動を広げて違う地域の人たちと知り合ったということは私の財産です。農業を始めたことで、よい方向に向かったと思いますし、今、ここにいるのはJAのおかげです。
――会長に就任して改めてJA女性組織についてどう思っていますか。
全国に同じ思いでいるJA女性組織があり、40万人ほどのメンバーが同じ方向を向いているということを改めて実感しています。メンバーが集まると、みなさんと1時間でも30分でも多く話をしたいといつも思います。
私たちJA女性組織はたとえば、地域で食と農に関わっていますが、やはりどこの組織も地産地消を中心に活動をしています。食べることは基本であり大事なことですから、女性ならではの観点から食に関する取り組みをどの組織でも行っています。世代が変わっても生きていくには農と食が大事だということを伝えていくことが大切だと思っています。
――今回の大会では組織活性化とメンバーの拡大をサブスローガンの一つに掲げました。
JA女性組織が抱えている問題は、やはり部員の高齢化と減少です。以前は地域の仲間たちが集まって何かをやろうということが当たり前でしたが、今は人と集まって何かをやろうという機運がどうも薄れていると感じます。コロナ禍で活動ができなかったということもあります。
一人でも多く
私たちはそこを何とか変えて、JA女性組織でいえばフレッシュミズ、この人たちに声をかけて一緒に活動をしよう、地域を盛り上げていこうという取り組みをしています。地域の仲間として、何らかの活動ができればいい。一人でもメンバーを増やしていこうと呼びかけたいと思います。
――防災についての学習と万が一の備えも万全に、ということも掲げました。
昔は災害は忘れたころにやってくると言われていましたが、ここ数年本当に気候変動によって、思いがけない所で考えてもみなかった災害が起きるようになりました。
ですから、これからは普段から、もしも、ということを考えて学習することが必要ではないかということです。
私が所属する長野県のJA信州うえだ女性部は新潟県の中越地震で被害に遭った小千谷に視察に行きました。小千谷には中越地震での被害を展示しているミュージアムがあります。そこで当時の地震の揺れを体験したり、どんな備えが必要なのかということを学んできました。災害を忘れないためにも必要なことだと思っています。
自治体が作った災害への備えを整理したリーフレットなどがありますが、それを参考に持ち出し用の荷物リストを作ったり、防災食の勉強もしました。
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