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コープこうべで現地研修  日常のつながりとサポート大切に(2)【全中教育部・ミライ共創プロジェクト研修】2024年3月22日

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JAの中堅幹部職員を対象にJA全中教育部が実施している「ミライ共創プロジェクト」は2月19、20の両日、今年度最後となるフィールドワークを兵庫県の生活協同組合コープこうべで行った。同生協が地域の課題、人々の願いをどのように解決しているかを学ぶとともに、それを持続可能な事業に結びつけるにはどうするかについて、これまでの4回の視察・研究の成果をまとめ中間発表を行った。

コープこうべで現地研修  日常のつながりとサポート大切に(1)【全中教育部・ミライ共創プロジェクト研修】から

総合力で地域課題解決

プロジェクト中間発表

プロジェクトを終えた参加者プロジェクトを終えた参加者

ミライ共創プロジェクトは、地域やJA組織の将来ビジョンを組合員や地域住民などとともに描き、新しい事業や活動(価値)を創造する人材の育成を目的とするもので、現場から学び、課題をくみ取るフィールドワークを通じて共通の課題解決方策を検討してきた。

これまで、「葉っぱビジネス」で知られる徳島県の上勝町、「モバイル牛温恵」の開発に取り組む大分県の(株)リモートと現地で普及・指導するドコモの「アグリガール」、社会貢献と事業を両立させている東京・多摩市のヤマトグループ「ネコサポステーション」、それに今回のコープこうべの「協同組合の新たなつながり方」の4セッションで実施してきた。

毎回12人の中堅職員が参加し、地域の人に協同組合はどのような価値(サービス・モノ・組織・活動)を継続して提供できるかをテーマにチームミーティングを重ねてきた。最終回となる今回のセッションでは、フィールドワークと併せて検討結果の中間報告を行った。最終結果は4月19日開催されるJA都道府県中央会教育・人事労務担当全国部課長会議で発表し、成果を「JA全中人づくり」ホームページで全国のJA役職員と共有する。

地域課題の事業化についてチームごとの発表内容の要点を以下にピックアップした。

農業法人を設立

農業の担い手減少に対応するため、JA出資型の農業法人を設立する。新規就農者が独り立ちできるまで法人で雇用して育てる。法人は離農者の農地の活用とともに、経営のノウハウを活用する。JAの機械力、AIの技術と"匠"(たくみ)の技術を合わせるのがポイント。(チーム1)

ネット関連を事業化

農業をやりたい人とやめたい人の農地の貸し借り、担い手の結婚問題など、ネット上でさまざまなアプリがある。これを事業化する。特にDXに弱い高齢者の情報はJAが最もつかんでおり、「安心」のブランド力も。後継者の婚活と合わせ需要が期待できる。(チーム2)

地域支援型農業を

「消費者と生産者をつなぐ野菜の"つながるボックス"」事業を立ち上げる。農産物の適正価格実現には消費者の理解が必要で、そのためには現場を知ってもらう教育が欠かせない。一方生産者は環境保全型農業を目指す。それによって「国消国産」の地域をつくる。(チーム3)

高齢者住宅+農業

託児所併設型農業法人など女性が活躍できる農業法人を設立し、子育て世代が充実した生活のできる環境づくりを目指す。また高齢化が進むなかで、シニア世代対策として、企業と一緒に生活サービス付きの高齢者住宅をつくり、農地も付ける。セカンドライフによる生きがいづくりを実現する。(チーム4)

食と農の魅力全国発信 ミライ共創サミット提案

ミライ共創プロジェクトの中間発表で、滋賀県JAグリーン近江総合企画課長の吉田友輝さんは、「ミライ共創サミット」の開催を提案した。地域の特性を生かした農畜産物や加工品を全国に発信する。安全安心な食料自給と魅力的な地域農業をPRする目的で、全国6大都市で開催するとしている。

開催地は東京、横浜、大阪、名古屋、札幌、福岡の6大都市。最寄りのJAがホスト役を果たし、参加資格はミライ共創プロジェクト参加JA、ミライ共創プロジェクト関連企業、全国各連合会、それに開催地近隣JAとする。提案者の吉田さんは「JAグループ最大のイベントにしたい」と抱負を語る。

協同の歴史一堂に展示 協同学苑史料館

ロッチデールの記念館模した史料館ロッチデールの記念館模した史料館

イギリスのマンチェスターにある「ロッチデール公正開拓者組合」記念館をイメージして建てられた。コープこうべ誕生の歴史と理念、事業とさまざまな活動の歴史をパネルや写真で展示。生協の父といわれる賀川豊彦の活動とその根底にある思想を遺品と共に解説・展示している。

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