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【現地レポート】能登半島地震から100日(2)被災者支援に農協奔走2024年4月16日

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1月1日に石川県能登地方を震源とする「令和6年能登半島地震」の発生から100日の4月9日。
能登農協(JAのと本店は鳳珠郡穴水町)に代表理事組合長の藤田繁信さん(68歳)を訪ね、被災地に入った本紙特別編集委員の村田武九州大学名誉教授に取材報告してもらった。

被災者支援に全力

藤田組合長藤田組合長

組合長を本部長とし、専務理事・常務理事、審議役、各部長で組織された「JAのと現地災害対策本部」は、3月15日以降は「JAのと災害復旧復興対策本部」と改称した。

7支店のうち5支店で2月1日から通常営業ができるようになった。損傷して解体が必要な珠洲支店(復旧概算額4億8000万円)は、2月26日に宝立店を代替仮店舗として営業を開始した。町野支店は住民の大半が避難したこともあって、営業再開は3月11日にずれ込んだ。

塞がれたままの道路塞がれたままの道路

能登半島外に避難した被災者への支援を本格化するために、2月26日には、JAのと単独で、「被災地JA組合員・利用者総合相談センター」を金沢市内の石川県農業会館内に開設した。金沢近郊に避難したJA職員6名に担当させ、避難先を訪問して被災者の相談に乗っている。2月29日から4月9日まで、合計26回で、訪問先は金沢市、白山市、野々市市、能美市、加賀温泉郷、富山市と広範囲である。相談に乗った避難者は合計195人、相談内容のトップは共済で、営農経済関連がそれに次ぐ。相談内容で増えているのは、損壊建物の公費解体の障害になっている相続問題だという。

農協施設の被害も大きく、復旧概算金額は損壊したライスセンターや倉庫など営農施設関係の14億2000万円を筆頭に、損壊して解体するしかない自動車整備工場や資材倉庫、「農村婦人の家」などの経済施設で13億8000万円、本店・支店で11億6000万円と、合計39億6000万円にのぼる。穴水町の本店は、4階のホールの天井が崩壊し、復旧概算額は1億円になる。

昨年2023年度の管内の水稲作付面積は2760haであった。農家の地域外への避難で、5月連休時が中心の田植え時期にまで戻れない組合員が多く、本年に確実に作付け可能な面積は1100ha(41%)にとどまる。これに約700haの水田は壊れた用水路の補修などが田植えに間に合えば、作付けできる可能性がある。ただし、ひび割れなどで水が漏れるかどうかはまだわらないのが心配である。JAの水稲600ha分の苗を供給する「門前育苗センター」も被害を受け、緑化棟が使えないので出芽段階で苗を農家に引き取ってもらうという。

【現地レポート】能登半島地震から100日(3) コミュニティー再生に壁へ続く

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