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地場産子実トウモコロシ使用の飼料を肉牛に給与―JA古川2024年6月4日

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子実トウモロコシの大規模実証栽培に取り組んでいる宮城県のJA古川では、5月から地域で生産された子実トウモロコシを原料として使った配合飼料を管内の肉牛に継続的に供給する取り組みを行っている。耕畜連携の取り組みにより、11月には30~40頭が出荷され「仙台牛」として販売される見込みだ。6月3日に現地で記者会見を開き、これまでの成果と今後の取り組みが報告された。

佐々木組合長、浦田北日本事業本部長(右)佐々木組合長、浦田北日本事業本部長(右)

地域農業の基軸に

JA古川ではJA全農の栽培委託試験として2022年から3年間の予定で子実トウモロコシの栽培に取り組んできた。

佐々木浩治代表理事組合長は「水田の半分を転作対応しなければいけない時代。大豆を転作の基幹作物としてきたが、30年間の栽培で(連作障害など)弊害も出てきた。子実トウモロコシ栽培はそれを克服し農地を守っていくための取り組み。しっかり成果を出して全国に発信していきたい」と話す。

子実トウモロコシの栽培は、輸入依存度の高い飼料原料で少しでも国産を増やし食料自給率の向上につなげるだけでなく、単位面積当たりの労働時間が稲作の10分の1程度であることや、水稲と大豆の輪作体系によって排水性や地力の改善効果が期待できる。

初年度の22年度は大豆生産組合を中心に91haで31経営体が実証栽培に参加した。ただ、播種不足という技術的な問題に加えて、風水害や病害虫などの打撃もあり平均収量は10a当たり330kgで集荷量は約300tにとどまった。

23年度は約108haで30経営体が栽培した。額縁明渠の設置など排水対策に取り組んだほか、10a7000本の苗立ち目標に対して6800本以上を確保し収量は10a当たり575kg、最高収量は同909kgとなった。一部でイノシシの被害を受けたものの、集荷量は約610tと前年の倍に増えた。

収量増と品質向上は殺虫剤散布の徹底も奏功した。殺虫剤のプレバソンについて、緊急に子実トウモロコシに適応拡大が認可されドローンで散布した。これによってカビ毒(フモニシン)が飼料安全法の基準値4ppm以下に低減した。ただ、散布が遅れたほ場からは高めの値が検出されたことからJA古川では「カビ毒を抑えるためには、雄穂抽出前に散布することが重要だ」として指導をしていく。

24年度は28経営体が取り組み106.8haで栽培する。課題は雑草対策。収穫時期に帰化アサガオが繁茂してコーンヘッダーに絡まるという事態も起き、さらにこれが残れば後作の大豆の生育にも悪影響を及ぼす。そのために今年度は播種後の出芽前と生育中に土壌処理剤で防除する。

牛肉の「物語性」を発信

一方、昨年収穫した600tの子実トウモロコシは昨年12月から圧ペン加工品を単味飼料として給与を開始し、今年5月からはJA全農くみあい飼料石巻工場で配合飼料原料として使用が開始され、連休明けから配合飼料「さくらパワービーフ」としてJA古川肉牛部会31軒の生産者のうち、13軒に供給されている。15%を占めるトウモロコシを輸入から古川産100%に切り替えて通年供給する。国産トウモロコシを原料にした配合飼料の供給は北海道では例があるが本州では初となる。

肥育の仕上げ期間の後期となる6か月間に使用、13軒の肉牛農家から11月にまず30頭から40頭出荷される予定だ。

千葉孝幸部会長は「見た目も香りもよく、牛の食い込みがいい」として肉質の向上に期待を寄せる。これまで100%県産稲わらの活用や飼料用米で耕種農家と連携してきたが、子実トウモロコシでの連携では「堆肥を還元できる量が比べものにならないほど多い。畜産農家として助かる」と評価する。

右から千葉部会長、鈴木会長右から千葉部会長、鈴木会長

JA全農くみあい飼料によると東北6県に供給している配合飼料は年間110万tで、このうち50万tが輸入トウモロコシだという。浦田克博常務取締役北日本事業本部長は「まだまだ拡大の余地はある。今回の取り組み入り口として貴重。どんどん作っていただきたい」と話した。

今後、牛肉として販売については、世界農業遺産「大崎耕土」の地域であることや、耕畜連携の取り組みなど「消費者に物語性をアピールして活路を見出していきたい」として販路を検討していく。

輪作体系の確立めざす

一方、耕種農家にとって輪作による収量増の効果も実証試験で確認されている。子実トウモロコシ後の大豆は10a260kgで水稲の後作よりも20kgほど収量が多かった。大豆の連作障害を克服する見通しも見えてきた。

JA古川の大豆・麦生産組織連絡協議会の鈴木正人会長は、実証栽培が始まってから、ほ場を通りがかった若い生産者が興味を持ち声をかけられることや、非農家の住民からもトウモロコシが何に使われるのか聞かれることもあるといい、地域の農業への関心の高まりも感じるという。

JA古川では子実トウモロコシの実証栽培を経て「子実トウモロコシ+大豆+水稲の乾田直播」という3年3作をめざす。畦畔を除去することによって1筆を3haとする大区画を進め、乾田直播は24年度は60haを作付け、25年度は100haをめざす。新たな輪作体系を実現する生産組織の再編にも取り組む方針だ。

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