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参加と協同で「暮し続けられる街」に 横浜・福祉クラブ生協で【全中・JA経営ビジョンセミナー】2024年7月24日

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JA全中教育部は、JAグループ外の協同組合や地域に根差した企業の現場を訪ね、経営者の生の話を聞き、参加者同士で議論を重ねて「自JAに何を採り入れるか」を考える常勤役員向けのJA経営ビジョンセミナーを行う(全5セッション)。その第1セッションを、7月10、11の両日、神奈川県横浜市の福祉クラブ生協きらり港北で開いた。高齢化が進む地域で暮らし続けるため、住民参加、協同組合の助け合いで課題解決を図る先進的な営みを現場で学んだ。

グループごとにディスカッションする参加者(7月10日、横浜市、福祉クラブ生協きらり港北)グループごとにディスカッションする参加者(7月10日、横浜市、福祉クラブ生協きらり港北)

開会あいさつする若松仁嗣JA全中常務理事開会あいさつする若松仁嗣JA全中常務理事

セミナーでJA全中の若松仁嗣常務理事は、「教育はわれわれの大事な仕事だ。このセミナーも3年目。外の空気をまず吸って、学びを持ち帰り強い組織を創ってほしい」とあいさつした。

基調講演で「パーパスの実践」を説く奥村昭博慶応義塾大学名誉教授基調講演で「パーパスの実践」を説く奥村昭博慶応義塾大学名誉教授

全5回のセッションを始めるにあたって、慶応義塾大学の奥村昭博名誉教授が「変革時代のJAのパーパスとリーダーシップ」をテーマに基調講演。農業とJAを取り巻く環境が大きく変わる中、パーパス(社会的存在理由)の重要性を強調し、利益を自己目的化するのではなく、社会的価値創造の結果として利益が出ると説いた。

この考え方を式にすると、旧来の考えは

P(利益)=S(売り上げ)-C(コスト)

と表される。それに対し奥村名誉教授は、

-C+S=P

を新しい考えとして提示した。

この場合、事業に先立つ-Cは単なるコストではなく「社会善への投資」であり、善きことをした結果、売り上げ(+S)が立ち、結果が利益(=P)になると考える。組織ごとの-Cのよりどころがパーパスだとし、認知症患者と家族を救うという「パーパスの実践」として抗アルツハイマー薬開発を成し遂げた製薬会社エーザイの事例を紹介。コミュニティー共生組織たる農協のリーダーには「共感リーダーシップ」が求められると投げかけた。

昼食をはさんで、JA全中教育部の田村政司部長が課題提起を行った。JAや生協は組合員が事業を利用する「利用協同組合」で、ワーカーズ(労働者協同組合)は組合員がそこで働く「生産協同組合」だ。田村部長は、協同組合の歴史を振り返り、地域課題の山積と職員減の中、福祉クラブからJAが学ぶべき課題を抽出した。

ディスカッションをコーディネートする落合康裕静岡大学教授ディスカッションをコーディネートする落合康裕静岡大学教授

フィールドワークでは、静岡県立大学の落合康裕教授のコーディネートの下、福祉クラブの方々から話を聞き、現場を見学し、討論を交わした。

福祉クラブ生協は1989年、神奈川県横浜市でスタートした日本初の福祉専門生協で、共同購入と福祉(施設運営とサービス)が一体になっている。組合員は1万6000人、118団体17業種で働くワーカーズは延べ2900人、2023年度の事業高は43億円だ。

福祉クラブ生協の歩みを語る有馬惠子理事長(右)福祉クラブ生協の歩みを語る有馬惠子理事長(右)

同生協の有賀惠子理事長は、「たすけあいは順番」「困った時はお互いさま」を合言葉に地域で暮らし続けられる地域最適福祉(コミュニティーオプティマム)を市民参加型で広げてきた歩みを話した。また、「お互いわかりあおう」という思いで、組合員やワーカーが互いに講師になって展開する、多彩な共育(ともいく)について説明した。三和和子副理事長は見守りを兼ねた配送の仕組みを、大杉恭子副理事長は住民がサービスの利用者であると同時に担い手にもなる在宅支援システムの実際を語った。

移動サービスの見学では車椅子に乗って車に乗り込む体験も移動サービスの見学では車椅子に乗って車に乗り込む体験も

デイサービスの見学に向かう参加者。デイサービスでは利用者がトランプゲームを楽しんでいたデイサービスの見学に向かう参加者。デイサービスでは利用者がトランプゲームを楽しんでいた

その後、参加者は二手に分かれ、移動サービス、デイサービス、住居型老人ホームを見学し、九つのサービスを担っているワーカーズの方々から経験を交えた話を聞いた。フィールドワークを踏まえ、三つのグループごとに、落合教授が示した二つの「事前課題」をめぐってグループディスカッションし、結果を発表した。

ワーカーズコレクティブが自分ごととして課題解決に取り組める理由について、参加者からは「サービスを受ける側とする側が同じ組合員で改善しやすい」「自分の未来にむけて活動している」「それぞれのワーカーズコレクティブが経営体で利益責任を背負っている」「経営者がみんなに相談しみんなも応えるフラットな組織になっている」などの気づきが出された。

2日目は、1日目の学びを自らに引き寄せ、「わがJAの地域課題に目を向けた協同事業の可能性と投資」をテーマに討議した。

参加したJA福岡市の松本眞一常務理事は、「2日目の討論は時間が足りないほど盛り上がりました。組合員が主役になり、地域課題の解決に自分事として取り組む福祉クラブ生協の人たちの姿に、協同組合の原点を見ました。JAで即できるかといえば、そうでないことも多いと思いますが、『組合員はお客さんではなく主役だ』ということを共有していきたいと思います」と感想を語った。

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