JAいるま野DX事例公開! 受注業務の手入力をAI-OCRに切り換え「38人→4人」の省人化を実現 PFU2025年2月6日
購買品申込書を「fiシリーズ」でスキャンし「DynaEye」で読み取る運用により少人数への業務集約に成功
埼玉県南西部を広く管轄するJAいるま野では、マンパワーに頼りがちな経済事業のあり方を改革するため、これまで各支店で手入力していた購買の受注処理業務を本店に集約し成果を上げている。具体的にはこれまで38の支店で受けていた購買品の申込書を本店だけで処理。「RICOH fi Series」(以下、fiシリーズ)でスキャンしてAI-OCRソフトウェア「DynaEye」で読み取る運用を開始した。これにより各支店の担当職員38人を本店の4人へ集約。大幅な省人化を実現し、経済事業安定化の大きな一歩となった。川越市の本店を訪ね、「DynaEye」活用のコツを含めて具体的なフローを聞いた。
左から、鈴木晴菜さん、小西香子さん、齋藤信子さん、浅見純一さん。
解決法: 38の支店で手入力していた紙による購買品の受注処理を本店の集中受注センターに集約、「fiシリーズ」でスキャンした申込書を「DynaEye」で読み取る運用を4人のチームでスタート。
効果:受注処理のみに留まらず、支店が行っていた架電による受注業務も集中受注センターに移行。大幅な省人化が実現し、支店では他の業務に時間を割けるようになった。
集中受注センターを開設して紙の申込書を「DynaEye 11」で読み取る運用を開始。38人から4人への省人化に成功
――いるま野農業協同組合 経済事業改革室 課長補佐の浅見純一さんにうかがいます。A4高速スキャナー「fi-8170」とAI-OCRソフトウェア「DynaEye 11」を導入した狙いと効果をお聞かせください。
浅見さん 農協が組合員の方々に生産資材や生活物資を供給する購買事業は、多くの人員が携わるため人件費に圧迫されがちです。また昨今の人材不足によってマンパワーに頼る事業そのものが不可能になりつつあります。そこでJAいるま野ではDXによる省人化の一環として、本店に「集中受注センター」を開設し、従来38の支店に1人ずついる購買担当が行っていた購買品の受注処理を1カ所に集約しました。集中受注センター開設のために4人を配置したので、実質38人から4人への省人化を果たした計算になります。
「fi-8170」と「DynaEye 11」は、リコージャパン㈱の営業担当者から紹介を受け導入しました。購買品は紙に手書きで記入された申込書で受注します。支店ではそれを手入力していましたが、センターでは申込書を「fi-8170」でスキャンし、「DynaEye 11」によるOCR処理で抽出したテキストデータを基幹システムに連携させる運用を2024年4月から開始しました。AI-OCRの活用によって少人数への業務集約が可能になりました。
(左) 集まったメロン申込書。一地域(入間市)だけでこの量になります
(右) 集中受注センターでの受注処理の様子。
申込書を「fi-8170」でスキャンし、そのイメージデータを「DynaEye 11 」で読み取ってテキスト化します
「帳票ID」の活用により、一度作った書式定義を新しい申込書にも流用できる
――ここからは集中受注センターのメンバーであるJAいるま野営農経済部購買課の鈴木晴菜さん、小西香子さん、齋藤信子さんにも加わっていただきます。申込書はどなたがお作りになっているのでしょうか。
鈴木さん 自分たちでレイアウトも書式定義もしています。「DynaEye 11」で読み取る箇所は黒い太線で囲った項目と、申込日、JA記入欄、職員コードです。
浅見さん 「DynaEye 11」は操作がシンプルで、書式定義もすぐに覚えられました。
――レイアウトする際、記入ミスを防ぐための工夫をしていますか。
鈴木さん たとえば申込日欄の「年」には「令和」ではなく西暦で書いていただきたいので、一目でわかるよう頭に「20」を印字してあります。また、郵便番号と電話番号をお書きいただく欄には、書き方の揺れを防ぐためにそれぞれハイフンをあらかじめ印字しています。
――記入部分に印刷されている黒い四角形は「DynaEye」によるOCR処理をスムーズにするためのポイントの一つ、「基準マーク」ですね。
鈴木さん そうです。PFUからアドバイスを受けて付けました。これを配置することで、四角形を四隅とする長方形を「DynaEye 11」が読み取るエリアとして指定できます。基準マークがあれば申込書を切り離したときのラインが多少ずれていても問題が生じません。
浅見さん 「帳票ID」による識別も優れた機能です。申込書は商品によって記入部分の項目数や枠の位置・サイズなどのレイアウトが異なりますが、一度作った申込書に帳票IDを付けて「DynaEye 11」に登録しておくと、新商品の申込書を作るときにレイアウトが登録済みのものと同じであれば、その帳票IDを印字しておくだけで書式定義が自動的に流用され、「DynaEye 11」が読み取ってくれます。
――申込書はどのくらいの頻度でスキャンしているのでしょうか。
鈴木さん 申込締切日の翌日にまとめてスキャンしています。締切が複数回ある商品の場合は締切日ごとに行います。
――OCR処理の確認作業に、複数のPCで同時に確認と修正ができる「DynaEye 11 Entry マルチステーション」を導入されていますね。
鈴木さん 親機PCで行ったスキャンとOCR処理の結果を、親機だけでなく3台の子機PCにも共有できるので、チームで一斉に確認・修正作業をしています。全員で同じ画面を共有し、コミュニケーションを取りながら作業を進められるので、作業がとてもスムーズです。
――「DynaEye 11」の認識精度に対する評価をお聞かせください。
小西さん ある程度は修正が必要なものと思っていましたが、運用を始めてみるとかなり正確に読み取ってくれ、「意外と直さなくていいんだ」と認識を新たにしました。
(左)集中受注センター開設後に扱ったメロン、小玉スイカ、大玉スイカの申込書。
下の記入部分を切り離す形式です。
(右)記入部分。OCR処理を前提にした工夫が施されています。
(左)「DynaEye 11 」画面。イメージデータとテキストを照合して確認。必要があれば修正を加えます。
(右)「fi-8170」は1分間にA4原稿70枚・140面をスキャンします。
申込書はA4の約半分と小さいため、さらに短時間でスキャンが完了します
紙詰まりと原稿破損のない「fi-8170」でスピーディかつ安定的に申込書をデータ化
――「fi-8170」に対する評価をお聞かせください。
鈴木さん スキャンが速いので、申込書が3,000枚あっても読み取りにはそれほど時間がかかりません。
齋藤さん 申込書には定規を当ててピッと切ったような粗めの切り口が多く見られますが、紙詰まりを起こすことはほとんどないですね。まれに紙の状態が悪くて止まるときがありますが、止まっても原稿の破損はほぼ起こりません。これはすごくよいと思います。
鈴木さん 原稿の重送もないですね。最初に念のため原稿の枚数をそれぞれが数えてからスキャンしてみたところ、取り込んだイメージデータの数と枚数がぴったり合致していました。
――今回の「fi-8170」「DynaEye 11」導入について総評をお願いします。
浅見さん 冒頭でお話しした通り、経済事業をマンパワーに頼っている現状を打開したいと多くの農協が考えていますが、デジタル技術を活用するにしても、大きなコストを割くのは難しいという事情もあります。その点で汎用性が高くユーザーフレンドリーな製品は問題解決の突破口になり得ます。当JAでは「fi-8170」と「DynaEye 11」を活用したDXにより、ほぼ狙い通りの省人化を果たすことができました。今後は「DynaEye 11」の多彩な機能を使いこなせるようにして、生活物資以外の商品にも活用の場を広げていきたいと考えています。
(お問い合わせ)
「fiシリーズ」「DynaEye」は、無料お試しもできます!
お気軽にお問い合わせください。
株式会社PFU
ドキュメントイメージング事業本部
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