非常勤理事を活用して地域づくりを JA-IT研究会が第33回研究会2013年2月8日
JA-IT研究会(代表:今村奈良臣東大名誉教授)は2月8、9日の両日、東京・大手町のJAビルで第33回研究会を開催。全国から70人ほどが参加した。
今回は「地域づくりとJA―現場の最前線にみる」をテーマに、5件の事例報告と総合討論をプログラムした。
開会のあいさつでJA全中の大西茂志常務理事は、「先日、農林漁業成長産業化支援機構が発足したが、どうしても形から入っていっているな、という印象を受ける。やはり、現場での取り組みが大事だ」と述べ、JAと地域づくりのかかわりについてさまざまな事例から学び、実践してほしいと呼びかけた。
初日の8日は、研究会副代表の黒澤賢治氏の基調講演のほか、高知県地域づくり支援課の浅野尊子氏と十和おかみさん市(株)社長の居長原信子さんが「地域づくりセンターとしての『十和おかみさん市』」、JAおちいまばりの西坂文秀直販開発室室長と同JAの菅真紀さいさいカフェ店長が「直売所を起点にした商品開発と地域活動の新たな展開」、JA加美よつばの後藤利雄営農販売部長が「集落営農が目指すもの」をテーマにそれぞれ事例発表した。
黒澤氏は、JAが地域コミュニティづくりや地域ビジネスづくりに入っていくためのポイントとして、地域振興計画づくりにコミットすること、非常勤の理事や監事を活用すること、などを挙げた。
特に後者については、「非常勤の理事や監事というのは、ほとんどがその地域の産業や文化、独自性を熟知している人たち。こうした人たちを支店や営農センターに集めて、そこを拠点にした仕掛けをつくることが大事だ。JAの一番大きな使命はプラットフォームになること。それが最大の地域貢献になる」と述べ、地域連携のコーディネート、6次産業化のプロデュースなどさまざまな切り口で、JAが地域ビジネスシステムを創ってほしいと強調した。
高知県四万十町で女性を中心に、農産物の直販や農家レストランの経営などを行っている十和おかみさん市の居長原(いちょうはら)さんは、「売上は自慢できるような額ではない。しかしさまざまな活動を通じて地域が一つになり、お金では買えないものを得られた」と自身の活動について紹介した。
9日の研究会2日目には、事例報告4・JAあしきたの高峰博美代表理事組合長が「企業と連携したJAの6次産業化」、JA氷見の川上修代表理事組合長が「ハトムギから始まった地域おこし」をテーマにJAによる地域おこしの実践について紹介する予定。
(写真)
講演する黒澤氏。約70人が参加した。
(関連記事)
・北海道美幌が優勝 高校生が活動する地域活性化プロジェクト JA全中が顕彰 (2012.11.15)
・10年後ありたい女性組織に向けて JA全国女性大会のパネルディスカッション (2013.01.23)
・組合員の協同の力こそ地域を拓く原動力 第26回JA全国大会決議の実践に向けて インタビュー・馬場利彦JA全中参事(2013.01.09)
・【農業協同組合研究会 第18回研究会】組合員にとって「支店」とは何か? ―大会決定の実践課題を討議― (2012.12.28)
重要な記事
最新の記事
-
静岡県菊川市でビオトープ「クミカ レフュジア菊川」の落成式開く 里山再生で希少動植物の"待避地"へ クミアイ化学工業2025年4月25日
-
25年産コシヒカリ 概算金で最低保証「2.2万円」 JA福井県2025年4月25日
-
(432)認証制度のとらえ方【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月25日
-
【'25新組合長に聞く】JA新ひたち野(茨城) 矢口博之氏(4/19就任) 「小美玉の恵み」ブランドに2025年4月25日
-
長野県産食材にこだわった焼肉店「和牛焼肉信州そだち」新規オープン JA全農2025年4月25日
-
静岡・三島で町ぐるみの「きのこマルシェ」長谷川きのこ園で開催 JAふじ伊豆2025年4月25日
-
システム障害が暫定復旧 農林中金2025年4月25日
-
神奈川県のスタートアップAgnaviへ出資 AgVenture Lab2025年4月25日
-
老舗の目利きを活かしたジュースやスイーツ「キムラフルーツ 西宮店」リニューアルオープン2025年4月25日
-
中河原工場で使用の全電力を実質再生可能エネルギーに切り替え サラダクラブ2025年4月25日
-
代替肉 国内過去1年間で累計30トン販売 海外戦略も加速 ネクストミーツ2025年4月25日
-
新時代のロボット芝刈機「Automower NERAシリーズ」発売 ハスクバーナ・ゼノア2025年4月25日
-
持続可能な製品の国際的な認証制度「ISCC PLUS認証」取得 兼松ケミカル2025年4月25日
-
トマト自動収穫ロボット 量産・商用化に向けた最新型を発表 inaho2025年4月25日
-
コープ商品 冷凍食品事業2024年度実績 冷凍米飯の利用が拡大 日本生協連2025年4月25日
-
「高効率もみ殻バイオ炭製造装置」JAぎふ方県CEで実証試験開始 ヤンマー2025年4月25日
-
「なら食と農の魅力創造国際大学校」実践オーベルジュ棟がリニューアルオープン2025年4月25日
-
「テトラ・ブリック」学校給食用牛乳に採用19社へ拡大 CO2排出量削減へ 日本テトラパック2025年4月25日
-
「アニマルウェルフェアアワード2025」養鶏業に刺激を与えたキユーピーなど3社が受賞2025年4月25日
-
パンジー『よく咲くスミレ』シリーズに新色「マシュマロ」「アップルソーダ」追加 サカタのタネ2025年4月25日