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農業協同組合研究会が総会2013年6月3日

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 JA役職員やOBと研究者がともに参加し新しい農協像の確立について考える農業協同組合研究会(会長:梶井功東京農工大名誉教授)は6月1日、日本橋公会堂(東京都中央区)で第9回の総会と研究大会を開いた。会員外も含めて約70人が参加した。

◆小研究会の開催、積極的に

研究会への積極的な参加を呼び掛ける梶井会長 梶井功会長は総会のあいさつで、「アベノミクスには心配な点がいくつかある。特に産業競争力会議の議論を見ると、農協の信共分離、株式会社の農地所有をめざしたさらなる農地法の改正、などとっくに結論が出ているものが再度議論されている」と、農協を取り巻く環境に対する懸念を述べ、「こうした課題にどう対処すべきか。みなさんとともに議論していきたい」と、研究会の活動の活発化に期待を寄せた。
 総会では平成24年度収支決算や25年度事業計画などを決議。
 事業計画では、前年度に引き続き、8月下旬に現地研究会、11月と26年2月に研究会を開催するほか、小研究会の開催にも積極的に取り組む。また、ホームページを活用した組織の活性化と会員拡大、JAの若手職員を対象にした教育資材としての農業協同組合新聞の普及拡大と各種研修会への講師派遣、などについても検討することを決めた。
 24年度3月末の研究会会員数は個人が149人(前年度比20人減)、賛助会員が8(同1団体増)だった。
 役員の改選では、石田正昭氏(三重大学名誉教授)、白石正彦氏(東京農大名誉教授)、前田千尋氏(JA共済連元代表理事理事長)の3人が新たに理事に選ばれた。会長は梶井功氏が再任された。

(写真)
研究会への積極的な参加を呼び掛ける梶井会長


◆TPP、国家主権を揺るがす問題

TPPと日本の国益について講演する孫崎享氏 総会後の研究大会では、元外務省国際情報局長の孫崎享氏が「TPPと日本の国益を考える」をテーマに講演。TPPが導入しようとしているISD条項(投資家が投資先国の政府に対して不利益を被ったとして、損害賠償等を訴える紛争解決のための手段)の実例を紹介。「企業の利益を最優先し、国民生活や環境をその下に置く。国家主権をも揺るがす大問題だ」、「TPP賛成論者の意見は、すべてウソと詭弁だ。企業の海外進出や、農業の成長産業化はTPPとは何の関係もない」など、数多あるTPPの危険性を指摘し、「これからはマスコミとの戦いが重要。運動を広げて、TPP反対の声をマスコミが拾いたくなるような仕掛けが大事だ」と、これからの反対運動の盛り上がりを期待した。

(写真)
TPPと日本の国益について講演する孫崎享氏

※研究大会詳報は、後日掲載致します。


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