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【JA人づくり研究会】組織・人の"必勝体制"を2013年6月21日

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 JA人づくり研究会(代表:今村奈良臣東京大学名誉教授)は6月20日、東京・大手町のJAビルで平成25年度総会と第17回研究会を開いた。研究会のテーマは「JAの組織、機能、人材育成とその配置、そして必勝体制はどうあるべきか」。今村奈良臣代表が講演し、副代表のJAいわて花巻・高橋勉専務、同JA甘楽富岡・黒澤賢治理事が、それぞれJAの取り組みを報告し、問題提起した。

◆「サポーター」の組織化

組織・人づくりで意見交換する「人づくり」研究会 今村代表は人づくり研究会の研究成果などを踏まえ、JAの組織、機能、人材育成と配置のあり方をサッカーにたとえて解析。つまり、フォワード(FW)はいかに得点をあげるか。ミッドフィールダー(MF)は勝つための戦略、戦術を策定する。ディフェンス(DF)は防御を基本とするが攻撃への起点となる。ゴールキーパー(GK)は全力をあげて失点を防ぐ。
 これをJA組織に当てはめると、FW=農畜産物販売部門、MF=営農企画部門、DF=金融、共済、購買、財務部門、GK=管理・総務部門となる。そしてJAの組合長はチームの監督であり、専務・常務などはコーチに位置づけられる。その上で、もっとも重要なこととしてサポーターの組織化、つまり組合員、特に女性の組織化の必要性を強調。さらに「地域の住民、消費者等も加わることで活力が増す」という。

(写真)組織・人づくりで意見交換する「人づくり」研究会


◆支店が復興の拠点に

JAいわて花巻・高橋勉専務 高橋専務は、相互扶助と農業振興によって、東日本大震災(大津波)の被害からの復興に努めている現地の取り組みを報告。特に大きな被害を受けた三陸沿岸で、いち早く再建・再開した農産物直売所が復興の起爆力となって、復興組合によるイチゴや野菜栽培が始まった。イチゴ栽培は、これまで経験のなかった農家が挑戦し、地産地消の産地が新しく生まれようとしている。
 直売所同様、いち早く再開したJAの支店が、物心両面でこれを支えた。特に、震災の支援を通じて高まったJAへの信頼をもとに、支店の新しい活動が生まれつつある。高橋専務は「将来にわたり、地域になくてはならない存在となるよう営農と暮らしの活動に力を入れる」という。


◆組合員・職員が価値観共有

JA甘楽富岡・黒澤賢治理事 黒澤理事は、マーケティング戦略の必要性を強調。具体的に多元的販売チャンネルの構築、商材提供から商品提供への転換、共選共販から個選型用途別共販への切り替え、大手量販・生協連のバイイング機能のアウトソーシング化と、その受託などへの取り組みを提案した。
「かつてJAの協同活動を支えていた既存組織や農村特有の統治機能の中には機能不全に陥っているものもある。時代や地域のニーズにマッチングしたリニューアルが求められる」と指摘。特に高齢化、人口減少のなかで農村にコンビニエンスストアが進出しており、JAの対応が必要だと強調した。
 また、JA内部のみの人材育成には限界があることから、職員や生産者を量販店や生協などに派遣する“武者修行”の必要性を挙げ、「組合員と職員が同じ価値体系を持つことが重要」と述べた。
 ディスカッションでは支店運営のあり方、経営管理委員会の位置づけ、女性の能力の活用、コンビニエンスストアとの提携などが話題に挙がった。


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